お客様にお願いする営業のままでいいのですか?お客様にお願いされる営業になるためには!
「お客様に相談しお願いする存在ではなく、お客様に相談されお願いされる存在になること」
これは、私なりにイメージする営業のあるべき姿です。
営業は、自分がどのような状況に置かれていても数字を達成できなくてはなりません。「営業の人格は数字だ」と、現役時代に上司に教えられたことは、いまもしっかりと記憶に残っています。
この営業の本務を達成するためには、何よりもまずは切っ掛けとなる案件を見つけてこなければなりません。その最も効率の良い手段が、相手から相談される存在になることなのです。つまり、ITに関わることなら何においてもまずはお客様から相談される存在になれば、競合他社よりいち早く案件の存在をキャッチできるし、案件そのものを自分でコントロールできるわけですから、こんなに効率のいい仕事の進め方はありません。では、どうすればそれができるようになるのでしょうか。
お客様の相談に応えられる体系的な知識とそれを説明できる能力を持つこと
これに尽きると思います。もちろん、相談しやすいキャラクターや気遣いなどの人間性、仕事の手際の良さといった段取り力など、様々な能力の総合力が必要であることは言うまでもありません。しかし、ITを生業にしている以上、この点においてお客様以上の知識と説明できる能力がなければ、基本をクリアできているとは言えません。
例えば、次の質問にあなたは答えられるでしょうか。
- クラウド・コンピューティング(IaaS)と仮想化との違い、または、両者の関係を説明してください。
- 「セキュリティ対策」という言葉がありますが、そもそも何をすることなのでしょうか。その目的と具体的な対策について説明して下さい。
- IoTとビッグデータ、アナリティクスの関係を説明してください。
- RDB(リレーショナルデータベース)が広く利用されている一方で、NoSQL(Not Only SQL)と言われるデータ管理の仕組みが注目され、利用が拡大しています。その理由とNoSQLの適用領域について説明してください。
- アジャイル開発が注目されています。それはどのような理由からでしょうか。従来までの開発と何が違うかを交えて、その理由を説明して下さい。
もちろん、このような知識が直接売上に結びつくことはないかもしれません。しかし、こういう知識を、知っているつもりのレベルではなく、説明できるレベルの知識にしておくことは、お客様に相談されるための前提です。そういう安心感というか、信頼感があるからこそ、ITに関わることならまずは相談される存在になれるのです。
営業の人材育成の多くは、営業活動プロセスを確実にこなせる能力やプレゼンテーションやドキュメンテーション、コミュニケーションなどの営業スキルに偏っています。私自身が行っていた研修もかつては同様でした。しかし、ITでメシを食う以上、お客様以上にITについての知識がなければその役割を果たせないのは言うまでもないことです。
プロセスもスキルも営業として大切な能力であることに変わりはありません。しかし、お客様に説明できるITの知識を持つこともまた大切な能力なのです。
自分商材についても説明できても、他社の商材や世の中のITの常識のなかで、自社の商材の位置づけを説明できない
それで、お客様はあなたに相談するでしょうか。
知ってるつもり知識から、説明できる知識へ
営業ですから、プログラムコードが書けなくても構いません。ネットワーク機器の設定ができなくてもかまいません。しかし、クラウドがお客様の業務にどのような変化や価値をもたらすか、IoT時代にお客様はどのようなセキュリティ対策を行うべきかを説明できなくてはならないのです。
そういう知識があってこそ、私たちはITの価値をお客様に伝え、ビジネスの切っ掛けを掴むことができるのです。
【募集開始】ITソリューション塾・第21期 2月9日 開講
次期・ITソリューション塾が、以下の日程で行われます。本日より、参加受付を開始させて頂きます。多くの皆さんと共に学べることを楽しみにしています。
次期講義では、企業システムとしてクラウドを活用するための実践的ノウハウ、IoT時代のセキュリティ対策、ビジネス・スピードに対応するためのアジャイル開発やDevOpsなど、皆さんのビジネスに直接関わる実践的な知識をしっかりと盛り込む予定です。是非、ご検討ください。
- 期間 初回2016年2月9日(火)〜最終回4月26日(木)
- 時間 18:30〜20:30
- 回数 全11回(特別補講を含む)
- 定員 80名
- 場所 アシスト本社/東京・市ヶ谷
- 参加費用 9万円(+消費税)
- 全期間の参加費と資料・教材を含む
「SIビジネスはなくなってしまうのでしょうか?」
これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。
その戦略とシナリオを一冊の本にまとめました。
「システムインテグレーション再生の戦略」
- 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
- 身の丈に合った事例を紹介し、具体的なビジネスのイメージを描きやすくすること。
- 新規事業を立ち上げるための課題や成功させるための実践的なノウハウを解説すること。
また、本書に掲載している全60枚の図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。経営会議や企画書の資料として、ご使用下さい。
こんな方に読んでいただきたい内容です。
SIビジネスに関わる方々で、
- 経営者や管理者、事業責任者
- 新規事業開発の責任者や担当者
- お客様に新たな提案を仕掛けようとしている営業
- 人材育成の責任者や担当者
- 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
- プロジェクトのリーダーやマネージャー
【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2015年12月版】
*** 全て無償にて閲覧頂けます ***
最新版【2015年12月】をリリースいたしました。
今月の目玉は、「オンプレからパブリッククラウドへの移行」について、ドキュメントを追加しています。移行をご検討のユーザー企業・情報システム部門の方は企画書や経営会議の資料として、SIerの方はお客様の提案資料としてご利用頂けると思います。
なお、今月より「テクノロジー編」を「インフラ&プラットフォーム編」と「サービス&アプリケーション編」の2つに分割致しました。(全438ページとなり資料探しに手間がかかるようになったため)
【インフラ&プラットフォーム編】(246ページ)
- ハイブリッド・クラウドについて、各社の取り組みを比較しやすいように資料を作り直しました。P44
- PaaSについての解説をわかりやすく修正しました。p.55-56
- 「パブリッククラウドへの移行の勘所」と「パブリッククラウド移行の企画書・提案書の作り方」の章を新しく追加しました。SIerにとっては顧客提案資料として、また、ユーザー企業の方は経営会議や企画会議の資料としてご利用頂けると思います。p.77-94
【アプリケーション&サービス編】(192ページ)
- 誤字・脱字等を修正しました。内容に大きな変更はありません。
【ビジネス戦略編】(74ページ)
- 「SI事業者の成功要因の変化」を追加致しました。
- 「PEST分析と5フォース分析で見るクラウド化」を追加しました。
- 「事業再構築の逆Cカーブ」と「SIビジネスへの適用」を追加しました。
- 「基幹業務のAWS適用事例」を追加しました。