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顧客価値と競争優位、その評価尺度

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お客様に価値をお届けすることがビジネスです。なにを当たり前のことと言われるかもしれませんが、そもそもお客様の価値(顧客価値)とはどういうことでしょうか。

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顧客価値とは、「お客様が必要としていること」と「自分たちが提供できること」が重なっているところです。いくらお客様が必要としていてもこちらが提供できなければ、顧客価値を生みだすことはできません。自分たちだけで顧客価値を提供できないのであれば、どこかの企業との協業や他社の製品を組み合わせることで、お客様の必要を満たすことができれば、それは顧客価値を提供できることになります。

ただ、顧客価値を提供できるからといって、自分たちが競争優位に立てるという保証はありません。

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競争優位とは、「お客様が必要としていること」と「自分たちが提供できること」で、「競合他社にはできないこと」となります。いくら自分たちが顧客価値を提供できても競合他社も提供できるのであれば、競争優位になりません。ユニークネス、あるいは、差別化と言われるのはこの部分で、この大きさが競合を征する条件となります。

この「競争優位」の大きさはどのように評価すればいいのでしょうか。それは、「営業利益(率)」です。つまり、顧客価値が高く、競合他社も提供できない領域であれば、売値を高くしてもお客様が手に入れたいと望まれるわけで、高い営業利益(率)を確保することができます。ですから、営業利益(率)が低い仕事をしているということは、それは競争優位がなく顧客価値が低いと言うことでもあるのです。

もちろん、営業利益率が低くても大量に提供することで大きな利益額を確保するというシナリオもありますが、このようなシナリオは規模を確保するための大きな初期投資のリスクを覚悟しなければなりません。

例え仕事があったとしても営業利益(率)を確保できていない、あるいは、減少傾向にあるとすれば、それは顧客価値や競争優位を提供できていないことを意味しています。それは、需要の変動に大きな影響を受けるばかりでなく、やがては自動化や自律化と言った機械の仕組みに置き換えられてゆくでしょう。

自分たちにとっての競争優位は何かを明確にしているでしょうか。何でもやるのではなく、他にはまねのできない競争優位を持っているでしょうか。そこに経営資源をシフトしようと意識し、行動しているでしょうか。

時代の変化はかつてとは比べものにならないほど加速しています。この事実に目を背け、競争優位を見定め、築く努力を怠るならば、やがては自らの存在意義を失うことを覚悟しなければなりません

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最新版【2015年12月】をリリースいたしました。

今月の目玉は、「オンプレからパブリッククラウドへの移行」について、ドキュメントを追加しています。移行をご検討のユーザー企業・情報システム部門の方は企画書や経営会議の資料として、SIerの方はお客様の提案資料としてご利用頂けると思います。

なお、今月より「テクノロジー編」を「インフラ&プラットフォーム編」と「サービス&アプリケーション編」の2つに分割致しました。(全438ページとなり資料探しに手間がかかるようになったため)

【インフラ&プラットフォーム編】(246ページ)

  • ハイブリッド・クラウドについて、各社の取り組みを比較しやすいように資料を作り直しました。P44
  • PaaSについての解説をわかりやすく修正しました。p.55-56
  • 「パブリッククラウドへの移行の勘所」と「パブリッククラウド移行の企画書・提案書の作り方」の章を新しく追加しました。SIerにとっては顧客提案資料として、また、ユーザー企業の方は経営会議や企画会議の資料としてご利用頂けると思います。p.77-94

【アプリケーション&サービス編】(192ページ)

  • 誤字・脱字等を修正しました。内容に大きな変更はありません。

【ビジネス戦略編】(74ページ)

  • 「SI事業者の成功要因の変化」を追加致しました。
  • 「PEST分析と5フォース分析で見るクラウド化」を追加しました。
  • 「事業再構築の逆Cカーブ」と「SIビジネスへの適用」を追加しました。
  • 「基幹業務のAWS適用事例」を追加しました。

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「【図解】コレ1枚で分かる最新ITトレンド」に掲載されている100枚を越える図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。自分の勉強のため、提案書や勉強会の素材として、ご使用下さい。

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目次

  • 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
  • 第1章 クラウドコンピューティング
  • 第2章 モバイルとウェアラブル
  • 第3章 ITインフラ
  • 第4章 IoTとビッグデータ
  • 第5章 スマートマシン

>> 詳しくはこちらをご覧下さい。

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