あなたは呪文のような営業トークを唱えてはいないだろうか
クラウドやIoTなどの言葉が話題にのぼらない日はありません。しかし、このような言葉は、注目される理由があったから注目されるようになったわけであって、決してその存在があったから注目されているわけではないのです。
手段は目的のために存在します。クラウドもIoTも目的を達成するための手段です。目的とは、何らかの「価値」を実現することです。「価値」とは「必要を満たすモノやコト」と考えてみるとわかりやすいかもしれません。
例えば、クラウドについて考えて見ると次のようになります。
- 「手段」=「クラウド」
- 「価値」=「開発や運用管理に関わる負担を削減するコト」
この「価値」を手に入れることが目的となります。
しかし、「手段」が確立し社会に浸透するようになると、「価値」は意味を忘れ去られた呪文のような存在となり、何のための「手段」なのかが忘れ去られ、「手段」を提供することが目的化してしまいます。営業の現場で仕事をしているとこのような現実に遭遇することは少なくありません。
「この製品は、こんな機能や性能があり、他社と比べてコストも大幅に安くなり・・・」
呪文のように「価値」を唱える営業トークですが、それが相手にとっての「価値」かどうかはお構いなしです。そもそも機能や性能は価値ではなく製品やサービスの属性であり、それを必要としていない相手にとっては、「価値」ではありません。そんなものを他社と比較されても何の魅力も感じないことは言うまでもありません。「手段」を提供することが目的となった営業のなんとも残念な現実です。「必要」が「価値」の源泉であることはすっかり忘れ去られています。
また、お客様が求める「価値」は変わらなくても、よりよい「手段」が登場すれば、それを使いたいと考えるのは当然のことです。しかし、"過去のよりよい「手段」"を提供することが目的となってしまった営業が、世の中のことを勉強もせず、考えもせず同じ呪文を唱え続けていることも少なくありません。
まずは、お客様の「必要」を見つけることです。お客様が何に困り、何を実現したいと考えているのかを理解する努力がまずは必要なのです。
初めてのお客様を相手に延々と会社や製品の説明をする営業がいますが、それでは相手の「必要」を聞き出すことはできません。会社や製品については、簡単な自己紹介程度にとどめ、「こういうことにお困りではありませんか」と相手の「必要」を仮説として提示してみることが最初でなくてはならないのです。
仮説の「必要」は、お客様の業務や経営に関心を持つことからはじめなくてはなりません。また、目の前にいる相手がどのような仕事をしているのかをイメージできなければなりません。そのためには、「価値」への好奇心、そして相手の「必要」を満たしたいという思い入れがなくてはなりません。
「手段」にこだわるあまり、「何のため」がない呪文を唱え続けていては、相手の心を掴むことはできません。まずは「価値」を追求することです。
君子務本、本立而道生
知恵あるものはものごとの本質を見つけようと努力する。ものごとの本質が見出せれば、それを実現する方法は自ずと明らかになる
論語の一節です。「本質」を「価値」に置き換えてみるとわかりやすいかもしれません。営業という仕事もそうありたいですね。
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最新版【2015年11月】をリリースいたしました。
【テクノロジー版】(406ページ)
*クラウドとIoT、BIについて新たなチャートを追加、5G(次世代通信網)についても新たな章を追加しました。
・プライベートクラウドについて、オンプレミスとホステッドの違いを解説した新たな資料追加しました。P39-40
・Infrastructure as Codeについて新たなチャートを追加しました。p.125-127
・IoTの説明順序を入れ替えると共に新たなチャートを8枚追加しました。p.207-209
・BIとAIの違いを説明したチャートを追加をしました。p.318-319
・5G(次世代通信網)の章を追加しました。p.384-395
【ビジネス戦略版】(67ページ)
*内容の改訂はありませんがありませんが、グラフの内容やその単位などをわかりやすく書き換えました。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン