「お客様の立場に立つ」とはどういうことか
「それは、給与泥棒と言うんですよ!」
新人の頃だったと思います。お客様のシステム部長を訪問したとき、同行の先輩営業が、決断を渋るその部長に放った言葉でした。相手は真っ赤になって、いまにも切れてしまいそうな表情で先輩営業を睨んでいたことを覚えています。新人ながらも、そんな失礼なことを言ってしまっていいものかとのあたふたし、張り付いた空気の中で居場所のない思いでした。
後で思えば、そういうことを言い合える信頼関係があったのだと思います。先輩営業としても、そうすることが最善の策だとの自信もあったのでしょう。結果として部長は契約書に捺印し、そのシステムも成果をあげることになりました。
翌年、先輩営業は、その部長に「社長賞」を授与して欲しいと上席の役員に掛け合っていました。そして賞を授与された部長もまんざらの様子ではなかったようです。
「給与泥棒」という言葉は、いまでもいかがなものかと思いますが、自分の提案がお客様の「価値」になるという確信があるからこそ、逡巡する相手の背中をグイッと押すことができたのでしょう。
こんな先輩営業の背中を見ながら、「お客様の立場に立つ」とは、こういうことなのだということを、すり込まれていったように思います。
お客様の求めにただ応じることが、「お客様の立場に立つ」ことではありません。お客様のビジネスや経営に貢献するためにどうすれば良いかを徹底して考え抜き、自分なりの答えを持つことが「お客様の立場に立つ」ということです。相手が何かを求めているとき、「結果として、どうなりたいのか」、すなわち「あるべき姿」をしっかりと探り、それを満たすための最善の答えを自分なりに考えぬくことです。相手がどのような立場であろうと、そういう自分の「答え」を相手にしっかりと主張できる自信を持つことです。
決して「ごり押し」であってはいけません。相手の言葉にも耳を傾けながら、お客様のビジネスや経営のあるべき姿は何かを考え抜き、あくまで合理的に自分の「答え」を相手にぶつけ、共にお客様の価値を最大化するための最善の道を探る態度を持つことです。
「相手が求める手段」に応えるのではなく、「相手が実現したい結果」に応える
こういう態度を持つことが「お客様の立場に立つ」ということではないでしょうか。そのためには、お客様の経営や業務、業界に関心を持ち勉強することです。さらには相手の仕事の内容や立場を慮れる優しさも必要です。
「相手の立場に立つ」ということは、ただ「相手についての理解を深めることと」ではありません。相手を幸せにしてあげたいという気持ちがあってこそ、相手の立場に立てるのです。
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