自分の考えを整理するためのささやかなチャレンジ
「人月積算に頼るSIビジネスは崩壊する」
昨年出版した拙著「システム・インテグレーション崩壊」では、なぜSIビジネスは崩壊するかを示し、ポストSIビジネスについての展望を示しました。
一方で、「じゃあ何をすれば良いのか、どうすれば良いのですか?この本にはその点がはっきりと書かれていない。現状は理解できたが、具体的な施策を示して欲しい。」といったコメントが数多く寄せられ、改めて、その点が自分の中でも整理できていないことに気付かされました。
ならば、それを整理してみようと思い立ったわけですが、これがなかなか簡単ではありませんでした。
整理するとは、何らかの価値基準で作られた枠組みに当てはめて位置づけを示してゆくことです。しかし、予め用意された正解はありません。そこで、なんとかしっくりくる枠組みを作ろうと、試行錯誤の繰り返しでした。
私はいつも、何かアイデアを整理するときは、まずは殴り書きで紙の上に描いてみます。そして、ああでもない、こうでもないと何度も破り捨ててはまた書き直すことを繰り返します。そして、これかなぁと思ったものをパワーポイントで描き直し、それを使って、講義や講演で話をしてみるのです。
そうやって、自分のアイデアが受け入れて頂けるかどうかを確認しているわけですが、「ポストSIビジネス」の枠組みについては、なかなかしっくりきません。そんな繰り返しの連続でした。
ならば、実践者たちに目を向けてみようと思い立ち、「これ、ポストSIビジネス(?)だよなぁ」と直感した取り組みの当事者に取材させて頂きました。彼らには、どんな視点や基準があるのかを教えていだき、それを参考に自分のイメージしている価値基準を正してゆこうという算段です。これは、ほんとうに良い勉強になりました。なるほど、そんな視点があったのかと何度気付かされたことでしょうか。そして、なによりもそういう人たちには、パッションがあります。理屈で考えるだけでなく、熱い想いで行動しながら考えているんですね。それこそが、正解のないポストSIビジネスをカタチにする秘訣なのかもしれないと、自分なりの考察を深めてゆきました。
そんな取り組みをはじめて、気がつけば1年近くたってしまいました。そして、なんとか、この連休で初稿が仕上がりました。これからいろいろと校正も入りますから、完成には、まだ少し時間がかかりそうですが、「どうすればいいんですか?」に私なりの整理がついたような気がします。
今回は、自分だけの知識や経験にだけ頼らないようにと心がけました。特に、自分が不得意な数字や経営学的視点は、それを得意とする友人に助けてもらいました。なるほど、よく勉強しているし、自分の意見を持っています。そんな共著者と議論しながらの執筆は、それ自体が楽しい時間でした。
これから最後の仕上げに掛からねばなりません。気をぬかずにすすめなくてはと思いつつも、初稿が出来上がり、なんだかほっとしています。
でも、いつものことですが、これからは出版までは、段取りを決められ、時間の中でこなさなければなりません。自分の都合で時間を決められなくなるわけで、そういう意味では、楽しむのはここまでかもしれません(笑)。
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◆ テクノロジー編(367ページ)前回より+60ページ
*新たに「データベース」についての章を追加、加えて最新の解説文を追加した。
・データベースについての章を追加しました。
・IoTについてのチャートを追加しました。
・その他、解説文を追加しました。
◆ ビジネス編(61ページ)+4ページ
・新規事業の立ち上げについて、新たなチャートを追加しました。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン