【図解】コレ1枚でわかる「課題」と「課題発掘」
「課題」とは、何でしょうか。どうすれば、「課題」を見つけることができるのでしょうか。「課題」と「ソリューション」とはどんな関係にあるのでしょうか。その関係は、実にシンプルです。
- 「課題」とは、お客様の望んでいる「あるべき姿」と「現状」とのギャップ
- そのギャップを埋めることが「課題解決」
- 課題解決の手段が「ソリューション」
例えば、1000億円の売上達成がお客様の望んでいる「あるべき姿」だとします。しかし、「現状」は800億円しかありません。ここには200億円のギャップがあります。お客様は、このギャップをなんとか埋めたいと思っています。つまり「200億円売上を増やすこと」がお客様の課題です。もしお客様が800億円で良いと考えるなら現状が800億円ですからギャップありません。つまり、課題がありません。このように、課題とは、「お客様が自ら意欲を持って解消したいギャップ」なのです。
では、どうすれば、「課題発掘」ができるのでしょうか。
まずは、お客様が何を望んでいるのか、そして現状がどうなっているのかを知ることからはじめなくてはなりません。この両者が分かってこそ、ギャップが明らかになります。そのためには、お客様についての徹底した情報収集が必要です。お客様の現状はどうなっているのかを自分なりに丁寧に調べ整理しておくことです。その上で、お客様はこんなことを望まれているのではないか、あるいは、こうすべきだという自分なりの仮説を立てることです。そして、お客様にこんな問いかけをしてみてはいかがでしょう。
「御社では社長方針として2015年度までに売上高1000億円の達成を掲げられています。しかし、現状は800億円であり、直近3年の売上高の増収も2%程度であることを考えると、あと3年で25%の増収を狙うというのは、容易なことではないように思います。たとえば、同業他社が取り組まれていると同様のECサービスに新規参入し、そのギャップを一気に埋めようとお考えなのでしょうか?」
その答えは、YesかNoしかありません。そして、Yesであれば、「では、やはりA社の提供されているソーシャル・メディアとの連携を考えたサービスを御社でも展開されるわけですね。」などと、さらに質問を重ねてゆきます。その繰り返しにより、お客様の「あるべき姿」と「現状」とのギャップを明らかにしてゆきます。
もし、Noであれば、「では、アジア圏での販売拠点を拡充されるのですか?」と別の仮設を示しながら、お客様のYesを探り出すことです。こういう仮設をいくつか用意し、お客様との会話に望むことが課題発掘への取り組みです。
「何かありませんか?」ではなく「これはどうですか?」の質問をあらかじめ用意し、それをお客様にぶつけてみることでギャップを発見する、つまり、課題発掘することができます。
もし、お客様が自身の「あるべき姿」を知らない場合は、どのようにすればいいのでしょうか。そのときは、お客様に、お客様の「あるべき姿」を知らせることで、ギャップを創り出します。例えば、マイナンバーの適用によって、お客様は業務をどのように変えなければならないのか。クラウド・サービスの普及によって、情報システムの「あるべき姿」はどのようになるのでしょうか。このようなお客様の「あるべき姿」を説明し、現状との間にギャップがあることに気付かせ、それを解決したいという意欲を引き出すことです。
あるべき姿は、よくわかっているが、現状がどうなっているか分からないお客様の場合は、その現状をお客様に成り代わってこちらが丁寧に整理し、本来のあるべき姿との間にどのようなギャップが存在しているのかを、客観的にお知らせすることです。そうすれば、お客様は、そのギャップを知り、課題の存在に気付かれるでしょう。
課題発掘とは、このようにお客様の意識の中に、現状とあるべき姿のギャップを描き出し、それを解決したいという意欲を引き出すことなのです。そして、解決することを忘れてはなりません。こちらが、勝手に「これがお客様の課題だ」と思い込み、それを解決したいという意志がないお客様に、いくら立派な提案をしても、何らビジネスにはなりません。
改めて、課題発掘とは何かを整理します。
- お客様やお客様を取り巻く様々な環境について、日頃から情報を収集しておくこと。
- お客様の現状とあるべき姿を分析的に捉え、「ギャップ=課題」についての仮説を持つこと。
- 「課題(仮説)」をお客様に提示し、これを検証し、課題が間違えなく存在することを確認すること。
- この「課題」を解決したいという意欲があることを確認すること
- 自分たちが、「課題」解決についての提案をしたり、取り組んだりすることについて了解、合意を得ること。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン