【図解】コレ1枚で分かるハイパー・コンバージド・システム
インターネットに繋げば、いつでも何処でも望む情報が手に入り、アプリケーション・サービスをうけられるようになりました。その結果、必要となるシステム資源は、質的にも量的にも従来とは桁違いの規模となり、これが継続的に増大する状況が生まれています。これを「Webスケール」と呼んでいます。パブリック・クラウドは、このWebスケールに対応しなければなりません。
そのためには、CPUやメモリ、ストレージなどのハードウェア能力をそれぞれ個別に増強する「スケールアップ」では、すぐに物理的な限界に達してしまいます。そこで、同様のハードウェアを並列に追加してゆき、全体の規模を拡大して、並列処理させることで能力を増強する「スケールアウト」での対応が、一般的です。スケールアウトにすれば、継続的な需要の増大に際しても、ハードウェアを追加してゆくことで、容易に能力を増強できるのです。
このようなスケールアウトの考え方をパブリック・クラウドではなく、プライベート・クラウドのインフラとして提供しようという製品が登場しています。これらは、「ハイパー・コンバージド・システム」と言われ、Nutanix、EVO:RAIL、Simplivity、VCEのVxRackなどの製品が登場しています。これら製品は、サーバー、ネットワーク、ストレージで1単位の標準化されたモジュールで構成され、これを追加してゆくことで、すなわち、スケールアウトでシステムの能力を増強することができます。
これまでも、サーバー、ネットワーク、ストレージをひとつの筐体に収め、システムの接続や基本的な設定を予め済ませて出荷する「コンバージド・システム(垂直統合システム)」と言われる製品はありました。例えば、Oracleの Exalogic Elastic Cloud、IBMのPureFlex System、VCEのvBlock、HP のConvergedSystemなどがあります。
しかし、能力の拡張となると構成要素毎に個別対応しなければならず、しかも、接続や設定などが複雑になります。規模や構成を変えないことを前提に使うには、導入や設定、運用も容易なのですが、スケールアウトには簡単に対応できないものでした。
一方、「ハイパー・コンバージド・システム」は、標準化されたモジュールを追加することで、能力をスケールアウトに拡張でき、その構成や設定も自動で行われます。能力の拡張を迅速かつ段階的に行う必要があるインフラ用途として有効です。また構成や設定を全てソフトウェアで行えるSDI(Software Defined Infrastructure)を構築する手段としても注目されています。
米Gartnerは、「2015年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10」にWeb Scale ITとして、これを取り上げ、注目しています。
【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2015年5月版】
「最新のITトレンドとビジネス戦略(全326ページ)」を最新版に更新しました。新規追加のプレゼンテーションは6枚ですが、新しい解説文を24ページ追加し、全てロイヤリティ・フリーとさせて頂きました。ご活用下さい。
テクノロジー編【2015年5月版】(271ページ)
新規ページを6ページ、最新の解説文を24ページ追加しています。
・これからのオフィスインフラを追加しました。
・パブリッククラウドの適用リスクを追加いたしました。
・コレ一枚でわかるIoTとビッグデータを改訂しました。
・IoTとモノのサービス化を追加しました。
・産業革命の歴史を追加しました。
・プレゼンテーション(24ページ)の「ノート」に最新の解説文を追加致しました。こちらも合わせてロイヤリティフリーでご活用下さい。
ビジネス戦略編【2015年5月版】(55ページ)
新規追加はありません。誤字脱字の修正、解説文の訂正を行いました。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン