オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

2015年・ビジネスの変革を牽引するテクノロジー・トレンド(1/3)

»

「IT(Information Technology)からDT(Digital Technology)へ」

数多くのセンサーが組み込まれネットにつながるスマートフォンやウェアラブルは、私たちの日々の活動をデジタル・データ化するデバイスとして、既に広く使われるようになりました。また、IoTの普及は、さらに広範な私たちの日常や社会活動のデジタル・データ化を加速してゆくことになるでしょう。

ソーシャルメディアもまた、そこでやり取りされる会話や画像、動画は人工知能によって解析され、世の中の話題や商品・サービスについての評価、人と人のつながりがデジタル・データ化しています。

気がつけば、私たちの現実社会は、ことごとくデジタル・データとしてネットにつながり、集められ、多くの恩恵を得る一方で、様々に利用される時代を迎えています。

また、自律走行車やロボット、3Dプリンティングの普及は、機械と人間との新しい係わりを生みだそうとしています。

このようなテクノロジーのトレンドは、私たちの日常に様々な変化をもたらし、社会、経済に関わる活動もまた変化をうけることになります。

私たちは、これまで「情報(Information)」を処理し、それを受け渡すテクノロジーに牽引され、生産性や利便性を高めてきました。しかし、これからは、より広範な生活や社会の活動を「デジタル(Digital)」化するテクノロジーが、「人間しかできなかったこと」を代替し、「人間にできなかったこと」をも可能にする時代を迎えようとしています。

この進化の潮流に抗うことはできません。ならば、このトレンドをしっかりと見極め、この流れを御し、うまく乗る方法を考えるべきです。そんな時代の潮流をこんなチャートにまとめてみました。

スクリーンショット 2015-01-01 7.53.11.png

まず、このチャートの根底にあるのは、「オープン化」、「スマート化」、「サービス化」といったビジネスを牽引する3つのドライビング・フォースです。

オープン化

OSS(Open Source Software)に牽引され、ソフトウェアに留まらず、データやハードウェアのオープン化、さらには、モバイルやウェアラブルのさらなる普及、IoTの登場、ソーシャルメディアの一層の活用は、人のつながりや世の中のできごとをこれまでにも増してデジタル・データ化し、さらにはオープン化してゆくことになるでしょう。そして、社会インフラとして、大きな役割を持つようになります。

スマート化

人工知能(AI: Artificial Intelligence)に牽引され、ロボットやスマート・アシスタントなど、新しい人と機械との関係が模索されつつあります。また、こちらの意向や行動を先読みして仕事をしてくれるコンテキスト・テクノロジーの進化は、利便性や生産性だけではない、新しい機械の活用のあり方を産み出す力となるでしょう。

サービス化

クラウド・コンピューティングに牽引され、インフラ、プラットフォーム、アプリケーションの全てのレイヤーでサービス化が促進されます。ビジネスもまたモノを扱うことからサービスを扱うことへと重心を移してゆくはずです。例えば、センサーやカメラが組み込まれた冷蔵庫がネットにつながり、人工知能が、入っているものを常時把握できるしくみが実現すれば、冷蔵庫という「モノ」は無料で提供し、食品の自動配達や食材・レシピの提供という「サービス」で儲けるビジネスが登場するかもしれません。

「門松や 冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」

一休禅師の読んだ歌といわれています。「正月に飾る門松はめでたいものだが、死へ一年近づいたということでもあり、めでたくないものでもある」という皮肉が込められています。

私たちのビジネスが置かれている状況に例えてみれば、新しいテクノロジーの登場は、新しい時代を向かえようとする象徴かもしれません。しかし、それは、同時にこれまでの常識を非常識にし、何もしなければ、これまでのビジネスが成り立たなくなることを意味しているとも解釈することができます。まさに「めでたくもありめでたくもなし」です。

そんな時代を理解するひとつの切り口として、このチャートをご覧いだければ思います。もちろんこのチャートには私なりの思い込みがあり、偏りがあります。当然、ご意見、ご批判はいろいろとあるでしょう。まさにそういう見方をして頂ければ、これからの時代を考えるきっかけにしていだけるのではないでしょうか。

明日は、このチャートに書かれているキーワードについて掘り下げてみようと思います。

最新ITトレンドとビジネス戦略【2014年12月版】を公開しました

今回は解説文を大量に追加しました。プレゼンテーションの参考にしてください。また、新しいトレンドを踏まえ、プレゼンテーションを13ページ追加しています。無料にてご覧いだけます。

【2014年12月版】(209ページ)の更新内容は次の通りです。

  • 「クラウド・コンピューティング」に解説文を追加しました
  • 「仮想化とSDI」を「ITインフラと仮想化」に変更し、プレゼンテーションを大幅に追加しましたました。
  • 「ITインフラと仮想化」に解説文を追加しました。
  • 「IoTとビッグデータ」に解説文を追加しました。
  • 「IoTとビッグデータ」に3Dプリンターの解説を追加しました。
  • 戦略について一部チャートを変更し、資料を追加しました。

2015年2月4日(水)より開講するITソリューション塾【第18期】の募集を開始致しました。

既に、定員80名に対して半分ほどのお申し込み、参加意向のご連絡を頂きました。ありがとうございました。

第18期では、テクノロジーやビジネスに関する最新のトレンドに加え、提案やビジネス戦略・新規事業開発などについても考えてゆこうと思っています。また、アジャイル開発でSIビジネスをリメイクした実践事例、クラウド時代のセキュリティとガバナンスについては、それぞれの現場の第一線で活躍される講師をお招きし、生々しくそのノウハウをご紹介頂く予定です。

ご検討ください。

Juku_18.png

詳しくはこちらをご覧下さい。また、パンフレットもこちらからダウンロードできます

よろしければ、ご投票頂ければ幸いです m(_ _)m

拙著「システムインテグレーション崩壊」が、「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞」にノミネーションされました。お読み頂きました皆さんに感謝致します。

system_cover

「システムインテグレーション崩壊」

〜これからSIerはどう生き残ればいいか?

  • 国内の需要は先行き不透明。
  • 案件の規模は縮小の一途。
  • 単価が下落するばかり。
  • クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。

Follow Us on Facebook Facebookページを開設しています。「いいね!」やご意見など頂ければ幸いです。

Comment(0)