「知っています」の5つのレベル
「皆さん、クラウドを知っていますか?」
新人研修の冒頭でこのような質問をすると、かならず「知っています」という答えが返ってきます。そこで、「では説明してください」とお願いすると、うまく答えられる人はなかなかいません。では、「知らない」のでしょうか。そんなことはなく、間違えなくクラウドについて、知っているのです。どうも、「知っています」には、いくつかの段階があるようです。
「言葉」を知っています
言葉は聞いたことがある、あるいは、ITで使われている言葉なんだ、ということは分かるが、「何のことだか分かりません」といったレベルです。新人研修の質問に対する「知っています」の答えの多くは、このレベルです。
「意味」を知っています
クラウドが何かを説明できます。また、SaaS、PaaS、IaaSやパブリック、コミュニティ、プライベートの関係を正しく理解し、それを説明できます。オンプレミスとの違いについても説明できなくてはなりません。事実を解説できるといったレベルです。
「価値」を知っています
なぜそうなっているのか、なぜその必要があるのか、クラウドは、ビジネスや生活にどのような価値を提供できるかを説明できるレベルです。
「適用」を知っています
どのように使われるのか、どう使えば良いのか、その適用事例やその成果を説明できるレベルです。
「使用」を知っています
「使える」と言うことです。知識としてクラウドを理解していても、それを使うとなるとオペレーションや運用・調達についての専門的知識や経験に培われた実践的ノウハウが必要です。
私が主宰している「ITソリューション塾」では、「価値」または、「適用」のレベルまでお伝えしています。営業が知るべきは、このレベルまでで十分だと思っています。逆に、このレベルを知らなければ、お客様との会話や提案で役に立ちません。
「知っている」に責任を持つことは大切です。「知っている」という以上は、どのレベルまで「知っている」かを自覚する必要があります。その自覚があってこそ、何を学び、なにをお客様に伝えれば良いのかが分かります。その自覚こそが、プロであることの前提になるのでしょう。
「最新ITトレンドとビジネス戦略【2014年10月版】(182ページ)」を公開しました!
毎月公開しています最新ITトレンドについてのプレゼンテーションです。以下のテーマでまとめられています。
- クラウド・コンピューティングで変わるITの常識
- モバイルとウェアラブル
- 仮想化とSDI (Software Defined Infrastructure)
- IoT (Internet of Things) とビッグデータ
- スマートマシン
- これからのITビジネス戦略
今月は、仮想化とSDIについてプレゼンテーションを一新し、解説文書を追記致しました。
よろしければお立ち寄り下さい。
システム・インテグレータの今と次のシナリオを考えて見ました
「システムインテグレーション崩壊」
〜これからSIerはどう生き残ればいいか?
- 国内の需要は先行き不透明。
- 案件の規模は縮小の一途。
- 単価が下落するばかり。
- クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。