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「内省」でチャレンジを楽しむ

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「カラダを起こし背筋を伸ばす。足の裏をたたきつけるように着地する。」

先日の日曜日、神奈川県山北町から足柄峠を往復する標高差650m・26キロのランニング練習に行ってきた。そして、走りながらこんな言葉を繰り返し、自分のフォームを修正する。

このコースは、スタートから13キロ、ひたすら登りが続く。2キロほどの緩やかな下りの後、8キロほど急坂、そして最後の3キロは最大斜度14%の劇坂だ。心肺は悲鳴を上げ、呼吸が苦しくなる。ついつい前屈みになってしまう。そんなとき、「カラダを起こし背筋を伸ばす」と肺が膨らみ気道が広がって呼吸が楽になる。

頂上に到着するととって返して同じコースを下る。坂の傾斜を利用し一気に重心を前に移動させる。体重が重い分、激坂でのスピードは半端ない快感だ。「足の裏をたたきつけるように着地」すれば、着地が安定して力が一点に集中する。足首や膝への負担が少なくなり、しかも力を分散させないので省エネで走れるわけだ。あとは、腕でバランスをとりながら一気に駆け下りる。強い衝撃が太もも前の筋肉を痛めつけるが、筋肉を短期間で鍛えるには効率的だ。

「まともに練習なんかしていないのに、突然そんな練習するなんて無謀だ!」と心配してくれる友人もいたが、こういう練習が短期間に鍛えるには手っ取り早いのでと、苦笑いしながら申し上げた。

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今月20日に開催される「三陸・雄勝 海の幸トレイルランニング(35キロ)」に出場するためだが、確かに久しくまともな練習をしていなかったので、最初の練習後は「激筋肉痛」に苦しんだ。駅の階段を後ろ向きに手すりの助けを借りながら降りるような有様だった。しかし、先日の練習ではそんな痛みもなく、普通に階段を降りることができた。たった一週間でこんなにも楽になるのかと驚いている。

ランニングを始めて、膝を痛めた、足首を痛めたという人は多い。私も始めた頃は同様の経験をした。そんな足の痛みをだましながら、プロコーチのアドバイスを聞き、それを実行しようと練習を繰り返した。しかし、なかなか思うようにはゆかない。そんなことをやっているうちに、ふっとコツがつかめる一瞬があった。これだとわかり、さらに繰り返し練習するうちに痛みなどまったく気にならなくなった。フォームの大切さを実感する出来事だった。実は、こういう経験があるので、自分にとっては「無謀」ではなかったのだ。こうすれば、ここまでなら大丈夫という確信があったからだ。

「リフレクション(reflection)」という言葉がある。日本語では「内省」と訳されるが、自分で積み重ねた経験や体験を「振り返る」ことを指す言葉だ。自分に起こった出来事をただ、そのときの感覚や感情の記憶にとどめるのではなく、冷静に論理時に見つめ直すことで、今後同じような状況に直面したときによりよく対処するための「知」を見出そうとする方法論だ。

ランニングでも同じことで、タダ走って筋肉を鍛えれば良いというものではない。こういう内省を繰り返すことで、省エネで楽ちんな走り方の知識が蓄積され、どこまでならできるかの見通しが立つ。

もちろん練習しなければ筋力や心肺能力は高まらない。しかし、いまさらオリンピックに出場するわけではないので、限界を極める必要もないし、そんなポテンシャルもない。むしろ、楽ちん、省エネ、長距離をそこそこのペースで走りたい。そんな目的をかなえる自分なりの走り方は、練習と内省によって作られていくのだろうと思っている。

内省は、反省とは違う。反省は、失敗や過ちなどの過去の言動の非を受け入れ、その理由や原因を探ることだ。しかし、反省は失敗や過ちを繰り返さないことには役立つだろうが、もっとよくしたい、もっと成果を上げたいというためには不十分だ。

内省は、是も非も含め、自分の経験や行為の背後にある論理や構造を意識に登らせ定着させる行為だ。だから、それを次の経験や行為で確かめ、成長の足掛かりを掴むことができる。

状況は刻一刻と変わる。ビジネスはまさにそのような状況であり、そのスピードは加速している。その中で自分の状況を即座に内省し、自分の行動を変化させさてゆく。こうしたあり方は、「行為の中の内省(reflection in action)」と呼ばれている。そうやって、自分の行動や言動を時々に変化させることで、よりよいもの、より大きな成果を手にすることができる。

ただ、がむしゃらに走り回っている時代もあった。そのこと自身に快感を感じていたこともある。しかし、年を経て「内省」を知るようになり、効率よく成長する術を知って、いろいろなことへのチャレンジがますます楽しく感じられるようになった。それは、「内省」によって成長を実感できるからだろう。

この「無謀」なランニング練習も「内省」があるからこそ、その達成度を実感できるわけだ。

さて、レースまであと10日、体力を「内省」で補いながら、もう少し鍛えてみよう。泣くも笑うもあと10日だ。

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