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コレ一枚でわかるビジネス・インテリジェンス(BI)

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今週のITソリューション塾では、BI(Business Intelligence)についても解説する。そのときに使うチャートの一枚を紹介する。

売上分析レポート、顧客分析レポート、生産実績レポートなど業務システムのデータを使った分析レポートの作成は、今も昔も業務の現場では必要とされていた。しかし、いまのようにコンピュータを誰もが簡単に使えない時代、こういうレポートの作成は、現場のユーザーから情報システム部門が依頼を受けて行う仕事だった。しかし、これは意外と手間がかかる作業だ。例えば、次のようなことがおこってしまう。

  • 欲しいものが何かを的確に伝えることが難しい
  • 試行錯誤の繰り返し、そのやり取りに手間も時間もかかる
  • 情報システム部門はバックログが拡大、対応に時間がかかる

現場ユーザーにとっては、情報はタイムリーに手に入れたい。しかし、このようなやり取りを毎回していてはそれもかなわない。

そんななかで、経営者や業務担当者などのエンドユーザーが、分析レポートの作成を自ら手がけることで、意志決定の迅速化と生産性の向上を図るべきであるという考えが提唱されるようになった。End User Computing (EUC)あるいは、End User Development (EUD)といわれ、そのための手段が提供されるようになった。これが、今に至るBIの源流だ。

さて、このBIを整理してみた。

 

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Q&R (Query & Report)

業務システムから生み出される多様かつ膨大なデータを情報システムの専門家を介在せず検索し、表やグラフとして加工編集できる機能。これまで蓄積された過去のデータを使って、わかりやすく整理し、「見える化」してくれることで、これまでの活動を振り返り、気付きを引き出そうというものだ。EUCやEUDの延長にある機能ともいえる。

BI (Business Intelligence)

統計的な手法で分析・整理し、意志決定に必要な情報を、わかりやすい表現で定型的レポートとして提示してくれる機能。狭義のBIである。Q&Rをここに含めることもある。多次元データベースをつかって様々な切り口からデータの構造や関係を見直すことや、あらかじめ決まった質問についての回答、KPIを設定しこれに対してどうなったかを見せる機能(シグナルゲージ)などがこれに当たる。業務の現状分析、問題の判別をおこない改善のための手かがりを掴むことなどに活用される。

BA (Business Analysis)

ビジネス目標との差異を発見し、統計的な予測モデルを使って、将来のパフォーマンスを予見し、最適化された計画を提示してくれる機能。業績の向上や計画策定を支援してくれる。昨今注目されるビッグデータを使った機械学習により予測モデルや最適化モデルを生成し、このBAと組合せてその精度を高めようという取り組みも行われている。

BIやBAの定義は、いろいろ調べてみると、ベンダーやサービス・プロバイダーによってこの定義とは必ずしも一致しない。そういうものも含めて、全体を俯瞰することをひとつの試みとしてご理解頂きたい。

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