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「若者はバカ者」という当たり前を忘れてはいないだろうか

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「土日に何をやれば良いか分からないので、できれば東京にしてもらえないでしょうか。」

地方への配属を打診された新人営業から、こんな反応があったそうだ。採用担当の方から聞いた話だが、話をしながら苦笑いされていた。

「会社に所属していることを自覚させ、顧客も、会社も、パートナーも期待していることを忘れず、利己的で刹那的な思考を持たせないようにしてほしい。」

「当たり前のことをやらず、自己主張だけすることは、人としての信頼を失うことであることを教えて欲しい。」

「身なりや行動、言動などで恥ずべきことは何かを自ら判断できるようにして欲しい。」

そのための新人研修をやってもらえないかと、あるSIerの研修担当の方から、いまご相談を頂いている。実は、同様の相談は他からも頂いている。

「いまどきの若い者」と言えばそれまでだが、振り返れば、自分達も同じく「若者というバカ者」だったのではないか。

ただ、大きく違うことが3つほどある。

まず、会社の指示は、絶対で、反論など赦されない空気があったことだ。組織に入るとはそういうものであり、例え本心がどうあろうと、それは従うべきもというコンセンサスがあったように思う。むろん、面と向かって、冒頭のような発言ができるような雰囲気はなかった。

もうひとつは、SNSの普及により、個人の言動が会社全体の問題へとあっという間に拡散するリスクをはらんでいること。昔は一人の若者ならぬバカ者の行動で済まされていたことが、そうでは済まされなくなったことだろう。

最後は、大人達の事なかれ主義の蔓延だ。若者はバカ者であるという当たり前を、本人の問題、社会の問題として、自らの責任を棚上げしよういう態度である。そんな時間の余裕も、気持ちの余裕もないのかもしれない。効率や成果を求められ売上や利益を評価される。若者を育てることは、「当たり前のこと」として、視界から消えている。いや、意識から消えているのかもしれない。

確かに、マネージメントのミッションとして、責任を持たされてはいる企業も多い。しかし、組織として、そういう若者達をどういう人間に育てようか、そのために何をしようかというコンセンサスができあがっているのだろうか。それをマネージメントのミッションに押し込めてしまえば、他の人たちにとっては意識から消えてしまう。組織としての行動原理や文化として、定着させてゆかなければ、本質的な解決にはならないだろう。

研修は第三者に任せることはできても、育成は自分達でしかできない。

研修という手段で、問題提起し、彼等に考えるきっかけを提供することはできるだろう。しかし、育成は職場でなければできない。育成の当事者たる大人達に「当たり前のこと」としての意識がなければ、研修は、むしろ新人達の不信感を増長させ、逆効果かもしれない。

「いまどきの若者が理解できない」というのは、いつの時代にもあることだ。しかし、理解できないのではなく、理解しようとしない、あるいは、そんなことを考え、対話をしようとしない態度にあるのかもしれない。

「営業という仕事は労働時間=業績ではない。知識×行動=業績だ。」

「そういうことは、就業時間をどう過ごすかではなく、日常生活をどう過ごすかで決まる。いうなれば、仕事と日常が分離できない職業だと心得るべきだろう。」

「そういう生き方を“プロ”という。営業とは、職業であるとともに、そういう生き方なんだと思う。」

新人研修でこんな言葉を語ることがある。言葉の意味は伝わっていると思う。しかし、それが、本当に定着するかどうかは、職場での育成次第だ。

そろそろ新人達が現場に配属される頃だ。改めて、この「当たり前のこと」を考えてみる、ちょうど良い機会かもしれない。

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