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崩壊するビジネスの常識、ITベンダーの役割が変わろうとしている

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「アウトソースとインソースの明確化が進む」
「ベンダーへの依存度がより大きくなる」

6月5日、ガートナーが発表した、「ITリーダーが予測する10年後のIT部門について」の調査結果で述べられていた。

一見すれば、今と変わらないではないかと見えるが、詳しく見てみると、ITベンダーとの役割分担の見直しが、根本的に変わってゆくだろうことを伺わせる結果となっている。

ガバナンスやセキュリティ、グローバルへの対応など、ITへの需要は今後とも無くなることはない。しかし、その一方で、IT予算は頭打ちだ。そのため、IT部門はいろいろと工夫を重ねコストを減らし、その浮いた部分で新しいことへの対応を強いられている。

こんな流れの中で、インフラは、確実にクラウドへと大きくシフトしてゆくだろう。そうなれば、ユーザー企業のインフラの構築や運用に関わっていたITベンダーは、ビジネス・チャンスを減らすことになる。

また、アプリケーション開発も、ビジネス・スピードの加速と共に、その対応を迫られることになる。例えば、日常の業務で頻繁に追加変更が求められる帳票やレポート、ワークフローなどは、簡単に使えるツールやSaaSへと置き換わり、多少複雑なロジックを求められるものもBRMSや超高速開発ツールを使って、内製化すすむだろう。

それにともない、IT部門でシステム企画や業務設計に才能を発揮する人材は、経営企画や事業企画に関わるビジネス・スタッフとともに、新しいチームを結成することになる。IT部門の中にそういうチームが作られるか、IT部門とは別組織となるかは、その会社の事情にもよるが、ITの戦略的な活用を企画、指揮するチームとそれを構築、運用するチームにこれまで以上に明確に分けられる。

一見これまでと同じような構図には見えるが、クラウドやテクノロジーの進化と共に、テクノロジーの難しさは隠蔽され、高度な技術的専門性が求められ、発揮しなくてはならない機会は大幅に減り、必要な作業量も大幅に少なくなる。こういう動きの中で、IT部門の人材の選別淘汰がすすむとともに、ITベンダーの仕事も減少する。

これまで、IT部門は、情報システムを所有することを前提に、システムの企画・設計、開発、運用などテクノロジーに関わる専門組織としてその役割を担ってきた。しかし、テクノロジーの進化が、その扱いの難しさを隠蔽化し、ますますコストパフォーマンスを高めつつある。そんな中で、これまで同様の役割を果たし続けることは困難だ。それは、同時に、ここに関わるITベンダーの役割も大きく変わることを意味する。

「今後は、「デジタル化」(注参照) も考慮に入れる必要があります。「デジタル化」の波はすぐそばまで押し寄せようとしています。一方で、いくつかの事例では、その「デジタル化」の主役がIT部門ではなく、利用部門であるという現実もあります。(同調査報告)」 

お客様が変わる。そうなれば、ビジネスも変わる。ガートナーの調査結果は、こんな現実を裏打ちしてくれている。

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