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「情報システム部門への不信」とITビジネス

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「2014年度のIT投資額は微増にとどまる見通し」

ガートナー ジャパンは、先日「2014年上期国内IT投資動向」で、このような発表をしている。

「日本企業のIT予算の8割弱は、「運営」(継続的なビジネスのオペレーションを実現するIT支出。固定費なども含む) に費やされており、ビジネスの「成長」「変革」のための予算はそれぞれ13.3%と9.1%にとどまっています。」 

なんとも、厳しい現実だ。

企業の競争力と成長を支えるために、グローバル化とデジタル化への対応を避けて通ることができない。当然、その前提にITがある。しかし、現実をみれば、IT投資への積極性は微塵も感じられない。この矛盾の原因はどこになるのだろうか。

ITはコストであり、戦略を支える投資として捉えられていない

経営者のこんな意識が、背景にあるのではないかと思っている。その理由については、いずれこのブログでも自分なりの考えを整理してお伝えしようとは思うが、そのひとつとして「情報システム部門への不信」は大きな要因ではないかと考えている。

成果との結びつきがわかりにくい人月積算の考え方

投資対効果のわかりにくい案件の増加

現場とのスピード感の乖離 など

経営者と情報システム部門の感覚のズレが、「不信」をますます拡げているようにも見える。その結果、「情報システム部門は、業務に欠かせないシステムを維持することに専念していれば十分、余計なことはしてくれるな、金がかかる話は持ってくるな」ということになり、結局は、こんな数字にあらわれているのではないだろうか。

事実、ITについての知識や理解を持たず、IT予算の増加を牽制することにしか、その役割を果たしていないCIOも少なくないように見える。

だからといって、業務の現場からのITへの要請は留まることはない。そうなれば、情報システム部門は、増えない予算の中で、「運営」を少しでも削り、つかえる予算をひねり出すしかない。クラウドへの期待が、これまで以上に高まっているのは、そんな背景があるからだ。

しかし、この現実に謙虚に目を向けていないITベンダーが少なからずあることは、昨日のブログでも書かせて頂いた通りだが、これでは、頼みの綱であった「情報システム部門」からさえも、見放されてしまうだろう。

また、クラウドは、テクノロジー隠蔽化する仕組みである。テクノロジーに関わることが役割と考えてきた情報システム部門は中抜きされ、経営や業務の現場が意志決定に大きな影響力を行使するようになるだろう。そういう人たちに魅力を感じさせるサービス商材を持ち、交渉できる力がなければ、営業のチャンスを減らしてゆくことになるだろう。

そして、こんな記事も目にとまった。

AWS revenues exceed $1bn per quarter, but Microsoft growing faster

“AWSの収益は四半期で10億ドルを超えたが、Microsoftの成長はさらに加速している”

ユーザー企業がクラウドへのシフトを加速しつつあるなか、我が国のITベンダーはその受け皿を提供できているのであろうか。AWS、Microsoft、IBMは、確実にその布石を打っている。そして、こんな記事も、この流れを象徴するものと言える。

SAPとマイクロソフトがクラウドで協業強化

ライセンス販売ビジネスが、収益の7割りをしめるマイクロソフトも、収益の構造を変えるために、ある意味競合関係にもあるプロダクトをも自らの懐に取り込み、クラウド・ビジネスの収益拡大と顧客の囲い込みを進めようとしている。

 ITビジネスの常識が大きなうねりと共に変わり始めている。「まだなんとかなる」は、そろそろ通用しなくなっている。

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「システムインテグレーション崩壊 〜これからのSIerはどう生き残ればいいのか?」

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私は決して、SIerやSIビジネスが突然破堤するということはないと思っています。むしろ、本来SIに求められる顧客価値の向上に向けたテクノロジーやビジネスプロセスの最適な組合せを実現するというニーズはますます高まってくるでしょう。崩壊するのは、工数を稼ぐことが収益モデルとなっているビジネスのあり方だと考えています。それが何かを整理し、どうすれば良いかの提案を書かせて頂きました。

ご覧頂ければ幸いです。

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ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/ LiBRA

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ITトレンドとクラウドコンピューティング」を改訂しました。あわせて、このプレゼンテーションの解説文書も掲載しています。

目次

  • クラウド・コンピューティングで変わるITの常識
  • 「自家発電モデル」から「発電所モデル」へ
  • クラウド・コンピューティングの価値
  • クラウドが出現した歴史的背景
  • 所有から使用へ
  • TCOの削減の理由
  • クラウドはシステム資源のECサイト
  • クラウドのもたらすパラダイムシフト
  • クラウドがもたらすイノベーション
  • クラウド・コンピューティングとは
  • クラウド・コンピューティングとITトレンドの関係
  • クラウド・コンビューティングの起源とGoogleの定義
  • クラウドの定義・NISTの定義
  • サービス・モデル
  • 配置モデル
  • ハイブリッド・クラウド
  • IaaS基盤
  • オープン・クラウドの動向
  • 5つの必須の特徴
  • 仮想化基盤とIaaSの違い
  • データセンター・サービスとクラウドの関係
  • パブリック・クラウドとオンプレミス
  • クラウドのふたつの視点
  • クラウドで変わるITの常識
  • Infrastructure as a Code
  • クラウドの価値
  • クラウド・コンピューティングの現実
  • 「クラウドは使えない」という都市伝説
  • クラウドに期待される価値・日米の違い
  • クラウドの可能性と戦略的価値の新たなポジショニング

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