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【書評】「ロバート・ジョンソン:クロスロード伝説」

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「ロバート・ジョンソン:クロスロード伝説」。去年の年末に発売された本で、発売と同時に購入していたのだが読むのがもったいなくて寝かせたおいた一冊である。ロバート・ジョンソンのCDを聴いていたら急に読みたくなって、書棚から引っ張り出してきた。

本書はアメリカが生んだ伝説のブルース・シンガーであるロバート・ジョンソンの生と死にフォーカスした伝記である。普通の伝記と違って、人生のすべてを克明に振り返るというよりは、謎が多い生と死について詳細に解説しているところが特長的だ。1938年に亡くなっているため、改めて事実を掘り起こすという作業には相当な苦労があっただろうと予想される。

私がロバート・ジョンソンのことを始めて知ったのは中学1年生の時で、ローリング・ストーンズが1969年に発表した名盤「Let It Bleed(レット・イット・ブリード)」がきっかけである。この「Let It Bleed」、ストーンズ・ファンの間でも評価の高い名曲揃いのアルバムなのだが、2曲目にアルバム収録曲中ひと際美しい「Love In Vain(むなしき愛)」というブルース・ナンバーがある。

見事なスライド・ギター(キース・リチャーズではなくライ・クーダーが弾いているという説がある)がフューチャーされている曲で、クレジットを見るとロバート・ジョンソン作となっていた。これがロバート・ジョンソンという存在を始めて知った瞬間である。それ以降、ロバート・ジョンソンのことを調べはじめるようになった。

ローリング・ストーンズ以外にも多くのアーティストにカバーされているロバート・ジョンソンの楽曲であるが、世間に注目され始めたのは死後20数年経ってからのことで、彼自身はそんなことになるなんてことを知ることもなく27歳でその生涯を閉じることになる。

本書の最後の方に感動的な記述がある。ロバート・ジョンソンのことを27クラブの創立メンバーだと讃えているいるのである。ロバート・ジョンソン、ブライアン・ジョーンズ、ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリクス、ジム・モリソン、カート・コバーンと全員27歳で亡くなっていて、ロバート・ジョンソンはそのすべての伝説の始まりなのだと結んでいる。

最近のオバマ・ブームに乗って、彼の源流とも言える民族が生み出したブルースはいかがでしょうか。ロバート・ジョンソンに関して言えば、去年CD3枚組のコンプリート・レコーディングスが発売されたこともあって、すべての演奏を聴くことができる。

キース・リチャーズが長い間二人で弾いていると信じ込んでいたギター・テクニックとエモーショナルなボーカル。ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、エリック・クラプトンなどのアーティストたちがこぞって熱を上げる理由がわかります。

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