このご時世にベンチャー企業が資金調達する方法は
知り合いのベンチャー企業の経営者から、あてにしていたベンチャーキャピタルからの出資が突然ダメになってしまったと泣きの電話がかかってきた。ほぼ決まりかけていた話だったらしいが、このご時世のためか、ベンチャーキャピタルが契約直前になって突然出資を見送るという連絡をしてきたということだ。
ずっと良い方向で話が進んでいたため、今回断られたベンチャーキャピタル1社に絞って交渉していたらしく、他のベンチャーキャピタルのあてはないという。急遽他の資金調達の方法を探してみるというが、前途は多難である。そうそう簡単にまとまった資金調達ができるはずもない。
他人事ではない。ベンチャー企業にしてみれば、明日は我が身である。難易度が低いと思われる順番に資金調達の方法を考えてみた。あくまでも私見である。
■ ベンチャー企業の資金調達手段
1. 自己資本
2. 親・妻からの援助
3. 親戚・知人からの出資
4. ハローワークの受給資格者創業支援助成金
5. 厚労省の中小企業基盤人材確保助成金
6. 国民金融公庫の新創業融資(新企業育成貸付も含む)
7. エンジェルからの出資
8. 中小企業基盤機構の事業化助成金
9. ベンチャーキャピタル(VC)からの出資
10. 信用金庫、地銀、都銀からの借入
1と2は起業する時にしか使えない方法だし、4・5・6は時間がかかるだけで即効性がない。7に関していえば、日本の場合はベンチャーキャピタル以上にリスクばかり気にして薦められない。まとまった資金が必要なら、結局のところベンチャーキャピタルからの出資に頼わざるおえないということになる。
最近、今回紹介した事例のように直前になって出資がダメになったという話をよく耳にする。最低でも年内はベンチャー企業には出資しない、という方針を打ち出したベンチャーキャピタルもあるというから驚きだ。一体何のためのベンチャーキャピタルなのか。こういう厳しい時期だからこそベンチャー企業はベンチャーキャピタル助けてもらいたいはず。ベンチャーキャピタルに銀行と同じような態度を取られては、ベンチャー企業の経営は困難を窮めてしまう。
月次でまだブレークイーブンに達していないベンチャー企業は、常にキャッシュがゼロになってしまうリスクと背中合わせである。このご時世、1年先を見通して資金調達を考えておく必要がありそうだ。