ベンチャー企業受難の時代だからこそ
昨日、ビムーブと同じ時期に開業したあるベンチャー企業の取締役をしているAさんと、久し振りに情報交換を兼ねて新橋で食事。話題の中心は、ベンチャー企業のベンチャーキャピタルからの資金調達が予想していた以上に難しくなっているという話。そのAさんの会社は、環境が少し上向くまでしばらくの間ベンチャーキャピタルからの資金調達は諦めることにしたということだった。
ビムーブが顧問をお願いしている経営コンサルタントの先生も同じようなことを言っていた。銀行もベンチャーキャピタルも財布の紐が固くなり、お金が外に流れていかない状態になっているとのこと。資金調達が上手く行かなくて倒産しているベンチャー企業も出始めてきており、この状態は今後もしばらく続くらしい。
先のまったく見えないベンチャー企業受難の時代に入ってしまったようだ。出口が見えない長くて暗いトンネル。アメリカや日本国内の景気対策が重要なのはわかるが、ベンチャー企業の支援策も少しは考えてほしいものだ。政府が考える景気対策って、大企業ばかりに気を取られ、ベンチャー企業や中小企業はいつも後回しにされてしまう。
ベンチャー企業を経営して行く上で、夢や目標を持ちにくい状況になっている。株式上場を果たす企業の数は史上最低のペースで低空飛行を続けているし、多くの人からは株式上場なんかお金が出て行くだけで良いことなんか一つもないから考え直せと言われる始末である。別に株式上場が最終的な目的で起業をしたわけではないが、ここまで暗い話題ばかりだとさすがに気が滅入ってくる。じゃあ、起業なんかしない方がよかったわけ?
そうじゃないはずだ。起業する人間がもっとたくさん出てきて、元気のあるベンチャー企業が育たないことには、日本の経済・社会は本当の意味での強さを手に入れることはできないし、これからの日本の経済・社会はベンチャー企業がリードして行かなければならない。だから、ベンチャー企業受難の時代だかといってカンタンにあきらめてはいけないのだ。
ベンチャー企業受難の時代だからこそ、気持ちだけはあえて元気に前向きに取り組んで行きたいものである。じゃないと、苦労の末に起業した意味がなくなってしまうし、ここまで支えてきてくれた多くの人たちも申し訳が立たない。
おそらく、ベンチャー企業を経営してく上で本当に大変な時期というのはまだこの先にあるわけで、それを経験することもなくこんなところで足踏みしているわけにはいかないのだ。
「お互い頑張ろう!」と言って、昨日はAさんと新橋で別れた。