日本でもMy Spaceが影響力を持ちはじめてきた
米国では、無名のアーティストがMy Spaceから火が点いてデビューしたという成功例がたくさんありますが、日本でも同じような成功事例が少しずつ出始めてきました。
たとえば、矢野顕子とレイ・ハラカミのユニットバンドとして知られるyanokamiが8月8日にデビューアルバム「yanokami」をリリースしたのですが、事の発端はMy Spaceだということです。My Space上に音源を公開したところ、それがいつの間にかMy Spaceに登録していた日本の音楽ファンの間に口コミで広がり、今回のCDリリースに繋がったということです。
もっとスケールが大きいのは、マレーシア出身のヒップホップ歌手シャネルです。彼女は、オーストラリアの音楽大学に在学中の2005年8月に、オリジナルの楽曲「ラブ・ウィズ・DJ」をMy Space上に公開したのがそもそもの始まりです。
そしてMy Spaceで少しずつ口コミで人気が広がり、日本で楽曲を先行配信したところ異例のヒットを記録することとなり、8月22日に日本での先行デビューが決まったということです。また、9月25日にはキャピトルから全米デビューも決まっています。
メジャーだけではありません。インディーズでも同じような現象が起き始めているようです。たとえば、沖縄出身のインディーズバンド耳切坊主(ミミチリボウズ)は、My Spaceに登録して楽曲を発表したところ数ヶ月でファンを1万人も獲得して話題になっています。
耳切坊主同様「たむらぱん」というアーティストも、インディーズ出身のアーティストながらMy Space登録後わずか4カ月で1万人以上のファンを獲得し、ウェブ上で発売したアルバムが初版1000枚を完売したことで知られています。
この4つの成功事例から、SNSの口コミ効果がいかに絶大なパワーを持っているかということがわかります。膨大な費用をかけなくても、口コミが波及すれば効果的なプロモーションが可能だという良い見本です。
ただし、この口コミ効果を生むためには、かなりのまとまった規模のユーザー数が必要になります。なんでも良いというわけではありません。そういう意味では、mixiとMy Spaceには社会を大きく動かすような潜在的なパワーが備わっているのかもしれません。
何となくこの現象が、日本でも主流になってきそうな気がしています。