70年代を代表するロック・アルバム100枚にサンタナが1枚も入っていないなんて
いま書店の棚に並んでいるレコード・コレクターズ6月号で、70年代ロック・アルバム・ベスト100という特集が組まれている。ちなみに、先月は60年代ロック・アルバム・ベスト100だった。さて、1位から100位までのアルバムを見てみると、どれも選ばれて当然な名盤揃いである。自分が持っているアルバムに印をつけてチェックしてみると、自分の好きな音楽の傾向がわかってくるので面白い。
ところが、今回ばかりはいくらレコード・コレクターズの企画であろうが、このベスト100にはどうしても賛同できない。理由は簡単である。サンタナが1枚も入っていないからだ。嘘だろうと思って何度読み返してみても、サンタナの名前が見つからない。これには、正直相当驚いた。
サンタナのセカンド・アルバム「Abraxas(天の守護神)」とサード・アルバム「Santana 3」を、共に70年代を代表するロック・アルバムの金字塔であると信じて疑わない私にとって、今回のレコード・コレクターズのランキングはさすがに容認するわけにはいかないのである。
2枚とも、堂々とベスト50に選ばれて当然だし、どちらか1枚はベスト10に入ってきてもいいとさえ思っているくらいだ。それほど、この2枚のアルバムが70年代ロック・シーンに与えた影響は大きいものがあると信じている。
「Abraxas(天の守護神)」と「Santana 3」がなければジャーニー(同じく選ばれていない)も生まれていなかったし、ラテン・ロックという血湧き、肉踊るジャンルも確立されなかったことは間違いのないところである。こうして記事を書いているだけで、何だか虚しくなってくる。
まあ、結論を言ってしまえば、それだけサンタナが好きということだ。それだけに、1枚も選ばれていないことが悔しいというのが本音である。その後の「キャラバン・サライ」でさえ選びたいほどサンタナが好きなのだ。
レコード・コレクターズ6月号は、自分のお気に入りのアーティストのアルバムが何位に入っているかという視点から読むと、かなり楽しめるのでお薦めである。意外なことに、選ばれて当然だと思われるようなアルバムが結構ランキング入りしていない。所詮100枚に70年代を詰め込もうとすること自体に無理があるのだ。
そう自分に言い聞かせながら、冷静に装うよう努めている。