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営業力の本質は知識力

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「どうすれば、営業力を磨けるのだろうか?」

その答えは、実にシンプルです。営業力の本質は「知識力」に他なりません。

交渉術やプレゼン術といったスキルも確かに重要です。しかし、それらはあくまで知識という土台があって初めて活きるもの。中身が陳腐であれば、どんなに巧みな話術も顧客の心には響きません。自社の製品やサービス、業界や顧客、そしてテクノロジーやビジネス全般に関する幅広く深い知識こそが、真の営業力の源泉です。

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なぜ「知識力」が営業力の核心なのか

では、なぜ知識力がそれほどまでに重要なのでしょうか。

第一に、知識はお客様を正しい方向へ導き、信頼を勝ち取るための羅針盤となるからです。かつてAIといえば「需要予測や業務データの分析、処理の自動化」などが中心でしたが、今やビジネスの議論は「生成AIの業務活用」へと移り変わりました。知識をアップデートし続けなければ、顧客を古い常識でミスリードしかねません。深い知識を持つことで、顧客の良き相談相手となり、未来への筋道を描くことができるのです。

第二に、知識は社内の生産性を高める上でも不可欠です。ある大手SI事業者では、営業担当者の知識不足から、どんな相談にもすぐにエンジニアを同行させていました。結果、エンジニアの稼働率は逼迫し、専門外の案件に時間を割かれるなど、組織全体の生産性が著しく低下していました。営業が正しい知識を持っていれば、こうした無駄は防げます。エンジニアの価値を最大化するのも、営業の知識力なのです。

知識を求める原動力は「プライド」

これほど重要な知識を、どうすれば貪欲に求め続けられるのでしょうか。その原動力こそ、自らの仕事に対する「プライド」です。

  • お客様の成功のためなら何でもするという覚悟

  • 与えられた数値目標を絶対に達成するという信念

  • 自分の仕事や製品が大好きだという想い

「この仕事で対価を得ている」というプロとしての自覚と自負。このプライドがあればこそ、人はそのプライドを満たすに足る知識を渇望します。

プライドがなければ、新しい言葉に触れても「自分には関係ない」「難しそうだ」と無意識に情報を遮断してしまいます。しかしプライドがあれば、「知らないままではいられない」という好奇心が働き、自ずと調べるようになります。この地道な繰り返しこそが、知識を盤石なものにしていくのです。

「知識力」を飛躍させる最強の武器、AI

現代において、知識力を強化するための最強の武器がAIです。AIは、あなたの知識習得を劇的に加速させるパートナーとなり得ます。

例えば、普段何気なく使っているスマホのプロセッサーのほとんどが「ARM」社製であることを知っている人は多くありません。しかし、ITに携わる者として、その名を知らなければ、スパコン「富岳」や最新のMac Book、IoTデバイスに関する重要な情報を取りこぼしてしまいます(全てにARMのプロセッサーが使われています)。

知らない言葉に出会ったとき、AIに聞けば、その概要から関連情報まで一瞬で手に入ります。AIを使い、知らないことを放置せず、すぐに調べる習慣をつけること。それだけで、知識を引っかけるフック(インデックス)が爆発的に増え、情報の感度は飛躍的に高まります。

さらにAIは、情報収集や要約だけでなく、提案の壁打ち相手や商談のシミュレーション相手としても活用できます。AIとの対話を通じて、自分の知識の穴を発見し、思考を深めることができるのです。

知識を「血肉」に変える唯一の方法

しかし、AIで情報を集めるだけでは、「知っているつもり」で終わってしまいます。真の知識力とは、他人の言葉を借りるのではなく、「自分の言葉で語れる力」です。

その力を磨くための、最も効果的なトレーニングがあります。それは、学んだことを「自分の言葉で文章にしてみる」ことです。書いてみるのです。

AIが教えてくれたこと、上司に教わったこと、本で読んだことを、そのまま受け売りするのではなく、一度自分の中で咀嚼し、再構築する。このプロセスを経ることで、初めて知識はあなた自身の血肉となります。

文章にしようとすることで、自分の理解が曖昧な部分が浮き彫りになります。そして、その曖昧さを埋めようとさらに調べることで、知識はより深く、体系的に定着します。こうして生み出された言葉だからこそ、熱が宿り、自信を持って顧客に語ることができるのです。

知識を武器に、顧客の未来をデザインせよ

製品の見積もりや契約といった事務作業は、やがてAIやネットが代替するでしょう。これからの営業に求められるのは、物売りではありません。

圧倒的な知識力を武器に、顧客の未来をデザインし、対話を通じて答えを一緒に創り上げていく「共創」のパートナーとなることです。それこそが、知識力を備えた営業が生み出す価値であり、新しい時代のプライドです。

営業力を磨く道は、知識力を探求する道そのものです。その探求に、終わりはありません

今年も開催!新入社員のための1日研修・1万円

AI前提の社会となり、DXは再定義を余儀なくされています。アジャイル開発やクラウドネイティブなどのモダンITはもはや前提です。しかし、AIが何かも知らず、DXとデジタル化を区別できず、なぜモダンITなのかがわからないままに、現場に放り出されてしまえば、お客様からの信頼は得られず、自信を無くしてしまいます。

営業のスタイルも、求められるスキルも変わります。AIを武器にできれば、経験が浅くてもお客様に刺さる提案もできるようになります。

本研修では、そんないまのITの常識を踏まえつつ、これからのITプロフェッショナルとしての働き方を学び、これから関わる自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうことを目的としています。

参加費:

  • 1万円(税込)/今年社会人となった新入社員と社会人2年目
  • 2万円(税込)/上記以外

お客様の話していることが分かる、社内の議論についてゆける、仕事が楽しくなる。そんな自信を手にして下さい。

現場に出て困らないための最新トレンドをわかりやすく解説。 ITに関わる仕事の意義や楽しさ、自分のスキルを磨くためにはどうすればいいのかも考えます。詳しくはこちらをご覧下さい。

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いずれも同じ内容です。

【第1回】 2025年6月10日(火)
【第2回】 2025年7月10日(木)
【第3回】 2025年8月20日(水)

営業とは何か、ソリューション営業とは何か、どのように実践すればいいのか。そんな、ソリューション営業活動の基本と実践のプロセスをわかりやすく解説。また、現場で困難にぶつかったり、迷ったりしたら立ち返ることができるポイントを、チェック・シートで確認しながら、学びます。詳しくはこちらをご覧下さい。

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2025年8月27日(水)

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八ヶ岳南麓・山梨県北杜市大泉町、標高1000mの広葉樹の森の中にコワーキングプレイスがオープンしました。WiFiや電源、文房具類など、働くための機材や備品、お茶やコーヒー、お茶菓子などを用意してお待ちしています。

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