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紙ジャケCD:ジャズ界最強の兄弟ブレッカー・ブラザーズ

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今年の1月13日に亡くなったマイケル・ブレッカーが、兄のランディ・ブレッカーと一緒に結成した双頭コンボ、ブレッカー・ブラザーズ。いろんな意見はあると思うが、ブレッカー・ブラザーズはジャズ界最強の兄弟だと思う。

まず、楽器の組み合わせがいい。兄のランディがトランペットで、弟のマイケルがテナー・サックス。ジャズの王道ともいえる、トランペットとサックス2管の組み合わせは華がある。フロントラインにこの2管が並ぶだけで、何だかワクワクしてくるのは私だけではないはずだ。

そして、兄弟共に一流のプレイヤーだということ。同じトランペットとサックスの兄弟といえば、ナット・アダレイとキャノンボール・アダレイを思い浮かべるジャズ・ファンがいることと思うが、残念ながらナット・アダレイの方はお世辞にも一流とは言えない。その点ブレッカー・ブラザーズは、兄弟共に甲乙つけ難いほど超一流のミュージシャンである。

そのジャズ界最強の兄弟ブレッカー・ブラザーズの、アリスタに残したアルバム6タイトルと、マイケルがゲスト参加したアルバム4タイトルが、待望の紙ジャケCDで発売される。このアリスタ時代の演奏は、どれも名演揃いであることは言うまでもないのだが、私が特にお薦めしたいのは、リーダー名義ではない、ゲストで参加している4タイトルの方である。

中でも、当時のアリスタ・オールスターズによる、1978年夏のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルの歴史的な演奏収めた「Blue Montreux」と「Blue Montreux:2」は超お薦めである。アナログで、この2枚をどんなに聴きまくったかわからないほどだ。しばらく入手困難になっていた時期もあったので、今回の発売を心待ちにしていたファンも多いはずである。

ブレッカー・ブラザーズのアルバムを聴いていると、大学のモダンジャズ研究会に入部して、バンド活動に熱中していた1970年代の後半~1980年代初頭の頃を思い出す。当時は、メインストリームなジャズよりも、フュージョン(当時はクロス・オーバーとも呼ばれていた)と呼ばれる、ジャズにロックのエッセンスを取り入れた音楽が全盛で、ブレッカー・ブラザーズはまさしくのそ中心的な存在に位置していた。

マイケル・ブレッカーの演奏に関して言えば、1990年代から晩年にかけてのジャズ寄りの演奏よりも、荒々しいブレッカー・ブラザーズ時代の演奏の方が好きだ。だから、今回のアリスタ時代のアルバムが一挙に発売されることはとても嬉しい。

5月23日が楽しみである。

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