フリーペーパー「音楽主義」の最新号は音楽SNS特集
「音楽主義」という月1回発行されるフリーペーパーがある。発行元は社団法人音楽制作者連盟というところで、CDショップ、楽器店、ライブハウスなんかによく置いてある。フリーペーパーなので、当然タダ。
内容はというと、音楽業界関係者はもちろん、インディーズ系のアーティストをはじめとした音楽を作る側の視点に立った記事が多い。とは言っても、普通の音楽ファンが読んでも十分楽しめる内容になっている。
その音楽主義の最新号(4月号#009)が昨日届いたのだが、いま続々と増えている音楽SNSの特集が組まれている。紹介されている音楽SNSは三つで、マイスペース、YoroZoo、そしてfaam。
記事は取材を基にしたものなので、それぞれのサービスのビジネス的な背景や目的なんかがわかって結構参考になる。同じ音楽を扱っているサービスでも、目指す方向性やサービスにかける思いみたいなものがそれぞれに異なっていて面白い。
ちょっと乱立気味な印象も受ける音楽SNSだが、課題はいかに多くのアーティストに登録・使用してもらえるかにかかっているのではないだろうか。日本の場合、米国のように、アーティストが自ら主体的にプロモーション活動を行うという土壌がない。まずは、SNSの効果をアーティストに理解してもらう必要がある。
また、すでにミクシィ内で大規模なファンクラブ・コミュニティを持っているアーティストも多く、それらのファンをどうやって新しい音楽SNSに誘導できるかも大きな課題の一つだ。慣れ親しんだ環境から移ってもらうためには、それなりのメリットが必要になってくる。
ということは、それぞれの音楽SNSの敵は、実は他のサービスではなくミクシィということになる。良いアーティストがせっかく自分たちのサービスに登録してくれても、彼らのファンがミクシィにとどまっていては、新しいサービス内での活動の幅が広がならない。
それに、敵がSNSだけだと思っていたら、それも大間違いだ。YouTubeやニコニコ動画あたりとの競争だって考えておかなければならないだろう。
マイスペースが米国で成功したからといって、必ずしも音楽とSNSの相性が良いとは限らないわけで、サービスが目指すべき明確なビジョンが必要になってくる。