オルタナティブ・ブログ > アー・ユー・エクスペリエンスト? >

人生と仕事に必要な様々なことについて考えるブログ

Web 2.0的なSNS

»

最近は、SNSの導入を検討しているというお客様とお会いする機会が本当に増えました。少なくても1日に3人、多い時では5人~6人くらいのSNS導入を検討しているお客様とお会いします。毎日お客様と接している私が、最近特に感じていること。それは、お客様の方が良く勉強しているということです。ちゃんと自社の問題を把握した上で、SNSの導入を検討しているお客様が本当に多いんです。逆にこちららが勉強させられることもしばしば。これには本当に感心させられます。

そんなお客様の一人から、最近こんな質問を受けました。

「SNSって、Web 2.0なんですか?」。ギクッ!鋭いツッコミ・・・。

「ええ、SNSは正真正銘Web 2.0だと思いますよ」と私。ということで、SNSがWeb 2.0であるという理由を今日は紹介することにします。私は3つあると考えています。

① SNSは独自性のあるデータベースを管理している
大規模ECサイトが管理する会員の購買履歴情報は、属性毎の一般消費者の購買動向を分析するという点において、非常に価値の高いデータベースだと言われています。SNSも同じです。SNSが管理しているデータベースだって、コミュニティ単位に書き込まれた膨大なブログのテキスト情報と、膨大な登録ユーザーの属性情報が、SNSのデータベースに独自性を与えています。それは、どう考えてみても、質・量的にみて一朝一夕で完成するようなものではありません。まさしく、ECサイトの会員購買履歴に匹敵するほどの独自性のある重要なデータベースです。

② SNSはユーザーを信頼し協力を得る
招待制のSNSは、すでに登録済みのユーザーの推薦を、無条件で信用して受け入れます。時に「招待制という基準を設けている時点で、ユーザーのことを信頼していないのでは」という意見もあるようですが、それは間違いです。ユーザーのことを信頼しているからこそ、ユーザー同士の決定にすべてを任せているんです。またSNSは、ユーザーがユーザーに参加を促すという、究めて珍しい仕組みを採用しています。つまり、ユーザーの協力がなければ成り立たないサービスになっているんです。この仕組みは、ユーザーの数が増えれば増えるほどコミュニティが活性化し、それによってサービス自体の質も良くなると考える、Web 2.0が提唱する「参加型のアーキテクチャ」を実践していると考えることができます。

③ SNSは他のサービスと組み合わせることができる(マッシュアップ)
SNSはもともと、ポータル、ブログなどのサービスをマッシュアップしてできたサービスです。技術的にも機能的にも特に目新しさはないんです。枯れた技術をマッシュアップすることで生まれたサービスだと言えます。また、SNSは他の既存サービスとマッシュアップして使えるサービスです。特に最近、SNSを音楽配信やECなどのサービスのメニューの1つとして導入するケースが増えてきています。SNSと既存のサービスをマッシュアップするケースは、今後も確実に増えてきます。SNSほどマッシュアップに向いているサービスはありません。

以上です。実は、ティム・オライリー氏は、『What Is Web 2.0』の中でSNSをWeb 2.0だとは認めていないんですよね。こんな言い方をしています。「相手の承認を得なければ関係を築くことができないという理由から、SNSはウェブほどの拡張性を持たない」。ブログはWeb 2.0だと認めていても、SNSについてはこれ以上言及していません。

これについても良く聞かれるんですが、私は、ただ単にティム・オライリー氏が、SNSの可能性に気がついていないだけのことだと考えています。もしかしたら、ティム・オライリー氏自身があまりSNSを使ったことがないのかもしれません。完璧な人間なんていませんからね。

それと、よく「ミクシィはWeb 2.0じゃないから、SNSもWeb 2.0じゃない」という意見を見かけますが、ミクシィだけがSNSじゃないんですよね。SNSは、もっと懐が深いんです。。。

Comment(0)