外人ボスと仲良くする方法
外人ボスとの戦い。そう、外資系ベンダーで繰り広げられるいつ終わるとも知れぬ葛藤の日々について。先日投稿した「アメリカ人は文字情報好き?」に頂いたたくさんのコメントとmihoさんの「外国人上司を説得しよう」を読んで、アメリカ人ボスとうまくやる方法についてあらためて整理してみました。
(ここでは外資系ベンダーで、主に日本非在住のアメリカ人のボスの傾向と対策を述べます。)
①言われたことはちゃんとやる
mihoさんのエントリーにあるように、例えばカタログのローカライズひとつとっても、いわゆる翻訳マーケティングと言われるようなことをやっていては、国内でのビジネスの助けにならないと感じられることは多々起こります。ただ、だからといって全く新しいものを創出するのは案外大変。まずは、US本社が頭をひねってベストと考えられるものを提供してくれるわけですから、これは尊重するというスタンスで。マーケティング計画の立案や実行にあたっても、同様にまず指示には従うべし。(もちろん、直訳じゃなくて、ちゃんと日本のお客さんへのメッセージに意訳するというのは多かれ少なかれ必要ですね)
ここで重要なのは、言われたことはこなしつつ、更に日本市場において必要なことをやるということです。本社のカタログがコンセプチュアルな能書きが多くて刺さりにくいのであれば、加えて事例パンフを作るとか、構成ガイドを用意するなどよりよくするためにプラスアルファしていくということです。実際には、追加作成する資料のほうがメインの位置づけになることもあるかもしれませんが、そこはそれ、ボスから見たら正副の関係は保たれていることによって平穏に進められます。
2倍仕事しなきゃならないようなことにもなりかねませんが、喧嘩になったりするよりは効率よく、みんながハッピーになるわけで、ここはこらえて。
②「できない」「無理だ」は言わない
「日本市場は特殊である」、「日本のお客さんはそうじゃない」、というのはある意味現実。一方、外人ボスは、「できない」、「無理だ」という発言を聞くのが大嫌い。
もちろん、あまりにも現実的でないとか誤解があるときには、きちんと説明して納得してもらうべきですが、日本人はネガティブだ、とか、やる気がないと思われては元も子もありませんから、持って行きかたを工夫するわけです。
それは、提案することです。つまり、「その目的を達成するためには、これこれこういうアクションをとるほうが、今おっしゃった方法よりもROIが高くて短期で成果が出るはずです。こっちの方法でもいいですか?」。これが上手くいけば結果として、当初指示されたことはやらないでいいようにできるというわけです。
いずれにせよ、「できない」、「無理だ」でNOだけだと、前に進みませんから、前に進めるために知恵を絞るということが肝心です。
③結論から先に
日本語と英語の文法の違いとして指摘されることと同様、日本人は思考パターンも時系列に順を追って説明しようとする傾向があります。結論から先に言え!は外資でなくても”できるビジネスパーソンになるコツ”とされていますが、外人ボスには特にそういうスタンスで望むほうがいいですね。まあ、実際にやりとりするときには英語でというケースも多いので、英語で会話するときには日本人でも外人頭になるとも言われていますから、案外このへんは平気かもしれませんけど。説明しているほうは、結論がわかっているので順番に説いていきたくなりますが、聞かされるほうは、推理小説じゃあるまいし、謎解きをしながら話を聞くのは大変です。特に、アメリカ人はこのへんは短気(?)かもしれません。ていうか、日本人がのんびりかな?(今ふと思ったのは、春に田んぼ耕して秋に米を収穫する文化と、狩猟民族系の瞬間勝負の文化の違いというのも関係しますでしょうか?)
というわけで、この3つの点に心がけていると、外人ボスと仲良くやっていけると思います。
営業や技術の職種でもだいたい同じようなもんではないかな、と思いますが、いかがでしょうか?また、外資系ベンダーのマーケティング部門の皆さんのご意見も頂ければ幸いです。