日本と主要国のコロナウイルス感染者数データから何を感じるか? 危機に備えよ!
日本と主要国の新型コロナウイルス(COVID-19)感染者数データを見てみましょう(出所:databrewの「COVID-19 data explorer」)。
中国を除く、感染者400人以上の国とシンガポールのデータ(3/11まで)による対数グラフです。縦軸は累積感染者数です(対数目盛)。
まず、横軸が、感染者数1名を原点として、日数を示したもの:
イラン、イタリア、韓国が、大きく上に伸びていますが、他にも急こう配の右肩上がりの国々があります。
次に、横軸が、感染者数10名を原点として、日数を示したもの:
そして、横軸が、感染者数100名を原点として、日数を示したもの:
こうしてみると、いくつかグラフから考えられることが浮かび上がってきます。
まず、日本のグラフの傾きが他国より緩やかであること、そして多くの国が似たような傾きであることが、見てとれます。日本はシンガポールに次いで傾きが緩やかです。
シバタナオキさんは、これに香港を加えたグラフから、シンガポールや香港と同様に、日本は世界でもコロナウイルスを上手く抑えている方だ、と指摘しています。
もちろん、このデータからだけではあまり確たることは言えませんし、今後も不断の努力が必要でしょう。
一方、もう一つ心配なことがみえます。多少の差はありますが、ここにあげた多くの国々が急な傾きを示していることです。
昨日朝、WHOのパンデミック宣言が報じられましたが、このグラフからは既に起こっている感がします。また昨日、トランプ米大統領が、欧州から米国への渡航を制限すると発表しましたが、このデータを見れば、そうしたくなるかもしれません。
もちろん、そうならないで欲しいですが、多くの国でかなりの勢いで感染が増えていくことが懸念されます。
すると、人々や組織の活動が極端に停滞してしまいます。
筆者は新事業やベンチャー関係が専門で、大学院でも教えていますが、すでに、事業環境やマクロの情勢が、リーマンショックとは異なるが程度はそれと同等(あるいは上回って)厳しくなることを前提に、経営に取り組むようアドバイスしています。日本国内がある程度で踏みとどまっても、グローバルの停滞は日本への大打撃となります。リーマンショックの直後に米国のベンチャーキャピタルSequoiaは、投資先ベンチャー企業経営者を集めて気を引き締めるためにショッキングな話をしたといいますが、再びの有事と思った方がよいでしょう。
続きのブログもどうぞ「主要国のコロナウイルス感染者数データと海外の声 金融危機級の影響も!?」
参考:中国も加えた同様なデータをさらに詳しく分析したブログはこちら Growth rate of COVID-19 outbreaks