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書評「人生は見切り発車でうまくいく」 奥田浩美著

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日本マーケティング協会の月刊マーケティング・ホライズンに記した書評を一つ。マーケティング関係者向けゆえ、こういう書き方になってます。なお、本書は大方の予想を上回る売れ行きで、著者の第二作のオファーが他社からあったそうです。

人生は見切り発車でうまくいく」奥田浩美著、総合法令出版

米国トップ・ビジネススクールWharton Schoolの看板マーケティング教授Jerry Wind博士は、このところよく「Experiment, experiment, experiment!(実験せよ、実験せよ、実験せよ!)」と言う。

マーケティングのプラクティスで世界をリードするP&Gやコカ・コーラは、マーケティングの研究開発や実験的な活動に力を入れている。ソーシャルメディア・ラボを設置したP&Gは注目され、日本でコカ・コーラ パークに果敢に投資をしたコカ・コーラには驚きの声が上がった。

一方、日本をみると、代表的な大企業がそれほど先進的なマーケティングに取組み、”実験”しているようにはみえない。

一般にPRでは、日本企業は守り中心で、米国企業は攻めにも注力すると言われるが、日本企業の保守性や慎重さを克服するには、理屈だけでなくマインドセットを進化させる必要がある。

 
本号に寄稿いただいた株式会社たからのやま奥田浩美社長の新著は、誰にも分かりやすく、マインドセット進化のきっかけをくれる。

副題「もう悩まない! 「完璧」は目指さない!  完成度30%で結果を出すスピード仕事術」が示すように、”実験”的なやり方のヒントが詰まっている。

『「できない」はNG、「できなかった」はOK』と奥田さんは言う。「できなかった」は試みた結果だが、「できない」は単なる言い訳にすぎない。

といっても、精神論を推すものではなく、シリコンバレーで新事業の方法論として共有されているリーン・スタートアップに通じる、体系だったバックボーンを持った書だ。これは43のティップスに整理されている。

また、個人のエコシステム(生態系)戦略とも言うべき考え方が示されており、仕事のみならず人生への取り組み方の参考となるだろう。

「東京より地方」の実践者の具体例であり、「東京より地方」で何に目を付けるか、何を得るか、ヒントが得られるだろう。そして、これからのマーケティングにどう取り組むか、考え、”実験”してみてばどうだろう。

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