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G1ベンチャーは期待を上回るイベントでした

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G1サミット主催で4/29グロービス東京校で開催されたG1ベンチャーに参加した。朝9時から夜9時までの1dayイベント。ベンチャー/スタートアップ関係のイベントは色々と経験したが、また新しい切り口とエコシステムのものとなり、企画・運営そして他の参加者の皆さんに感謝したい。

なお、アーカイブ動画がGlobis.tvで公開開始されている(さらに追って加えられるかと)。

ベンチャーはベンチャーで固まりがち、という指摘もあったが、起業家コミュニティが他のリーダーたちとつながり、エコシステムを拡大して形成することが大切であり、その時機が来ていると強く感じる。いつもの連中だけで集まっても、ブレークスルーや化学反応はそう期待できるものでもなく。その問題意識にそぐう参加者キュレーション(G1サミットのコミュニティや多様な分野のリーダーを含む)だったのではと思う。

いくつかかいつまんで以下に。

「日本を変えるモデルをつくる ~創業特区でのベンチャー生態系形成~」
■孫 泰蔵 MOVIDA JAPAN株式会社 CEO
■高島 宗一郎 福岡市長
■森川 亮 LINE株式会社 代表取締役社長
■堀 義人(モデレーター) グロービス経営大学院 学長
高島市長がいつも通り素晴らしいプレゼンを。激戦を経て特区に選ばれた福岡には、頑張ってほしいという声が。もっとも、人材育成と人材獲得が鍵であり、国際競争に勝つには、乗り越える課題も大きい。大胆に前進して欲しい。
●参考:「雇用特区「カギは人材育成」 LINE社長ら都内で討論」西日本新聞

「世界を変える日本人起業家たち」
■窪田 良    Acucela Inc. CEO
■藤田 浩之   Quality Electrodynamics CEO
■渡辺 雅之     Quipper, ltd CEO
■モデレーター 間下 直晃 株式会社ブイキューブ 代表取締役社長
海外に渡り必死で生き残り、勝ち残る起業家の言葉には、心を打たれる。理屈を超えためぐり合わせやエピソードには、人生のアドベンチャーを生き抜く生命エネルギーの強さを感じた。もちろん日本で頑張る起業家も素晴らしいが、こうした方々から学び、inspireされることは大きい。

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「マイナンバーが実現する新たな公共サービスと市場」
■熊谷 俊人     千葉市長
■楠 正憲     内閣官房 社会保障改革担当室 番号制度推進管理補佐官
■牧野 正幸  株式会社ワークスアプリケーションズ CEO
■モデレーター  平 将明  衆議院議員
これは知らなかったことばかりで勉強になりました。マイナンバーの概略は知っていたものの、こんなに背後にある問題が色々とそれも本質的な大きなものがあるのかと印象的でした。百万以上の漢字が氏名に使われ名寄せができないことは序の口で、福祉のあり方、「世帯」をベースにした施策の限界など、日本の仕組みを再構築せねばと感じました・・・詳しくはこちらの動画をどうぞ。

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 「NO LIMIT ~最高峰に挑戦する人たちへ~」
■栗城 史多   登山家
■為末 大  一般社団法人アスリートソサエティ 代表理事
いつも栗城さんの話にはハッとさせられるのですが、これは面白かった。一部を以下に書きますが、詳しくはこちらの動画をどうぞ。

Img_0023a 栗城 登山で死なずに帰ってくるには、執着しない、楽しくなかったら降りろ。30代前半に死者が多い。100kマラソン完走は50歳くらいが多い。頑張ればできるというのは危険。精神状態をコントロールできること。いつもとちがうと先輩が言ってくれるとか、客観視が大切。

為末 引き際、限界を知ってる。しかし自分を過小評価でそこそこで終わることが多い。ここまでいけると度を越すと、死ぬか身体がこわれる。熟練すると、フルスロットルだとこわれる限界が分かってくるかと。

栗城 達成感でなく、苦しさあるから、嬉しくて泣く。

為末 二種類の忍耐。苦しさが目的になって、うさぎとびで苦しいだけとなると違う。例えば野球は有酸素運動いらないのに10k走るとか。苦しければ結果が出るわけじゃない。

栗城 8000kmk仕様のからだにする。エコカー、つまり少ない酸素でいけるように、外側の筋肉減らし、内側を鍛える。根性論でなく、適したトレーニングを。

為末 絶対不可能と言われた1マイル走4分の壁を、イギリスのロジャー・バニスターが破ったら、一年で23人もが4分の壁を破った。人間の限界は何が決めてる?限界をつくる心理がある。

為末 走っていて、いきてる!とカラダがさけぶ。あんなに生きてると思ったことない。

栗城 死を意識すると、生きようとする力が出る。みなさんもヒマラヤに行けば変わります。

Img_0038a フィナーレ

自分はオイシックス高島社長と「組織」のランチ・セッションを担当。いつも出てくる共通の悩みが多く、各社の例をシェアして議論。この辺の経験の共有は大切ですね。この点では米国が進んでるなぁと毎度思います。

全体としては、ベンチャーに留まらない切り口がいくつもみられたよい集いでした。ずっと開業率が上がらないとの指摘もありましたが、起業振興は国の大きな課題です。もっとがっつり取り組みたいものです。それから、パーティーはG1史上最もファンキーでしたw 今回も努力されてようですが、次回はもっと女性起業家を呼びましょう。ではまた来年!

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