女性社員を元気に育てるDIW塾は面白かった
女性エグゼクティブ養成塾「DIW塾」での最終日プレゼンテーションの審査員を務めました。これは、小生らと社内起業研究会を開催した岡田康子社長(「パワハラ」の提唱者でもある)のクオレ・シー・キューブが企画・運営の、大企業・中堅企業の20-30代女性社員が対象の教育プログラム。
最終日は、個人の人生プランと、グループでの新事業創造構想を発表。予想以上の効果とエキサイトメントを、受講者本人、そして彼女らの上司から、プレゼン後の懇親会で直接聞くことができた。
「DIW塾」のプログラム自体は、早稲田大の大江建教授の事業創造のフレームワークを基本に、最近注目のスティーブ・ブランク氏らのLean Launchpadの手法を取り入れた、スタートアップ演習がメイン。
開講日 テーマと講師
第1回 2013年10月11日(金) 自分と会社のたな卸し
第2回 2013年11月8日(金) 9日(土) 顧客価値の創造とビジネスのデザイン
第3回 2013年12月13日(金) 実践的マーケティング―仮説設定と管理
第4回 2014年1月17日(金) ビジネスモデルと事業提案
第5回 2014年3月7日(金) ビジネスモデルプレゼンテーション
まず受講者一人ひとりが、自分の新事業アイデアを発表し、それからチームを編成するという、Startup Weekend方式。3人一組のグループでは、ぶつかり合い、力を合わせ、本業で忙しい中、毎週ミーティングを重ねて、本番に臨んだ。
事前の予想を上回るパフォーマンスだった。プレゼンがよく出来ていて感心。それに切り口がユニークで面白かった。女性、子育て目線のアイデアは、おじさんにはなかなかないもの。事業化には練り込み不足だったが、問題の特定では高い点数があげられるものだった。プレゼンを見ていた企業の方(男性)の中には、ひとつのアイデアについて、これを事業化したいとコメントする方もいたほどだ。
DIW塾を通して、一人ひとりが自信を持ち、元気になったという。顧客候補のフィードバックを得る事業創造演習では、アイデアをユーザーに粉砕されることも多く、それを乗り越えて事業案を練り上げるプロセスは、かなり目を開く体験だったようだ。異なる企業のチームメンバーとの共同作業は、意見をたたかわせ、自分にない視点を体感することで、刺激になったそうだ。とても成長したと受講者の上司の方も言われていた。また、DIW塾での体験と学びを自社に持って帰って活かすという受講者もいた。
営業の要に育てたいという方や、アジア市場開拓担当の方などもいて、受講者は社内で期待されており、これからが楽しみだ。
ちなみに、「髭の生えた女子社員にはなりたくないですね」とは受講者のコメント…わかってらっしゃる、と思いました(参考:人材コンサルの岡島悦子さんは髭の生えた女子社員を「チャック女子」[チャックを外して衣をとれば中身はオヤジ]と呼ぶ)。
実験的なアプローチの塾だが、社内研修よりもはるかに効果があるのではなかろうか。
<参考>「起業家教育の旗手スティーブ・ブランク氏に学ぶ シリコンバレーの経験を集約した経営・教育ツール|インキュベーションの虚と実」