オルタナティブ・ブログ > Dr.本荘の Thought & Share >

主にテクノロジー×ビジネス×イノベーションについて考察・刺激・アイデアなどを

イベント「After 25」は刺激的だった: ベルリンの壁崩壊から25年 クリエイティブ・カルチャーと都市の発展

»

After 25」なる謎のイベントが3/1 and before/after にあったのをご存知ですか? 東京と姉妹都市のベルリンをつなぐ、音楽を軸に置いたクリエイティブな集い。 TEDxTokyoならびにTEDxTokyo yzのリーダーの一人であり、日本のTEDxコミュニティの発展に大きな貢献をしてBerlinに移った井口奈保さんに声を掛けていただき参加しました。

ベルリンの壁崩壊から25年 クリエイティブ・カルチャーと都市の発展
AFTER 25 は東京及びベルリン発のグローバルに活躍する起業家、アーティスト、クリエイター、ポリシーメーカーを迎え、実践的ケーススタディー、成功秘話を紹介。サブカルチャーとアートが生み出す経済効果、政治への市民参加の在り方、都市設計戦略へ及ぼす影響を紐解いていく。」というイベント。

これが予想もつかない展開で味がありました。

ヤ・ラ・レ・タと感じたのが、HOLZMARKT。ベルリンのど真中に、自由にビレッジを創ってるのだ。空き地に、ミュージシャンやクリエイターが披露できる場をつくり、これも欲しい、あれも必要と、廃材を使ったりして建物=カフェ、宿泊所、ほか色々とつくっていって、ビレッジとなった。年金基金からの投資を得て、経済的にも自走できるコミュニティを形成している。

これから、起業家予備軍の学生を呼んでスタートアップと触れ合う場を提供し、起業家精神の振興にもトライするという。

Dscn7857 当初、ベルリン当局はこんな再開発の構想を持っていた。

Dscn7860 この場所です。

Dscn7861 オープンなHOLZMARKT

Dscn7859 みなのアイデアと参加でビレッジを創っていく

いくつかセッションが行われた。一つは、ベルリンのサブカルチャー育成と経済的・社会的成長についての次のメンバーによるパネル:
齋藤貴弘(斉藤法律事務所・Let's Dance署名推進委員会)
マーク・ヴォールラーベ(ベルリン・クラブコミッション)
ユーヴァル・ディーツィガー(Holzmarktプロジェクト)
トビアス・トン(Native Instruments)

Dscn7854 日本のミュージック/クラブ・シーンとは異なるだけでなく、進化している。齋藤先生らは議員連をつくって活動したり、規制について働きかけをしているが、それだけで前に進むかは分からない。会場から「どうすればもっと音楽・クラブの場に人を呼べるか」との質問に、「ベルリンでは来たい人が集まる」との答え。この辺は、日米のスタートアップでも同様な質疑がされたことがあるのを思い出す。また、ベルリンでは音楽を楽しみにクラブにくる…日本はそうでない人も多い、とのやりとりも。総じて、自由と協調の大切さを感じた。

EyeEmやMoretraxのようなスタートアップもイベント・パートナーとして登壇した。特徴的なのは、十数カ国の多国籍チームである点だ。国際都市ベルリンは面白い。なぜ奈保さんがベルリンを選んで移住したか少し分かった気がする。

すてきなオモロイ人が集まった懇親会…オールナイトのクラブ・イベントには行きませんでしたが、友人がFacebookにあげていて、熱いVibeは伝わってきました。TEDxでおなじみオープン・リール・アンサンブルも登場。セッションで「東京のクラブには列ができない」とのコメントがあったが、長蛇の列ができて大盛況。

Dscn7874

Dscn7873 ソーセージにカレー粉のドイツ料理「カリー・ブルスト」がうまかった

行く前は、どんなイベントか見当がつかなかったが、そういう集いにもたまに足を運ぶと思わぬ体験があるという好例でした。東京とベルリンという2つの都市に縁のある起業家たちが始めた今回のプロジェクト…えっと驚く本イベントを企画・運営したみなさん、感謝です。

<参考:イベント紹介>AFTER 25――壁崩壊から25年を迎えるベルリンと東京をクラブ・カルチャーで結ぶ試み

東西ドイツ分断の象徴“壁”の崩壊から25年を迎えたベルリン、そしてベルリン同様、劇的な変化のなかで音楽を含めた、そしてさまざまなカルチャーを生み出し続ける東京を結ぶイベント〈AFTER 25〉の開催が東京で決定。

現在、アートや建築、音楽とさまざまな面でクリエイターたちが集まり、その中心として話題を集め続けているベルリン。特に、クラブ・ミュージックにおいては世界有数の影響力を誇るヴェニューがいくつも存在し、そしてアーティストたちは彼の地に集まっている。クラブ・シーンは、単なるサブ・カルチャーではなく、観光、経済のひとつなっている。

ベルリンの壁崩壊から25周年を記念して、刺激的な都市ベルリンと東京のクラブ・シーンの間で、カルチャーの未来を見据えた創造的な結びつきを模索する催しが〈AFTER 25〉だ。開催は2月5日。二部構成になっていて、昼間はトーク・カンファレンス。現地のクラブに詳しいジャーナリスト、さらには騒音や地上げなど、さまざまな問題を団体として解決へと導くクラブの業界団体の会長などが来日する。
そして夜は、ロバート・ヘンケ a.k.a. モノレイクの“LUMIÈRE”と題された日本初上陸のライヴやバーント・フリードマンなどのライヴといった現地のアーティストたちと、日本とドイツを結び活動するKAITOやDJ NOBUといったアーティストたちのイヴェントとなっている。

Comment(0)