ドコモのスタートアップ・セミナーをイスラエルのGingerソフトCMOとやりました
NTTドコモのスタートアップ育成プログラム「イノベーション・ビレッジ」での起業チーム向けセミナーの講師を依頼されたのですが、その当日に小生と同じく500 Startupsメンターを務めるJames Hollowとやりとりした結果、彼がマーケティングを手伝ってるイスラエルのGinger Software社CMOのDudu Noyさんとともに、その場に呼ぶことにしたのでした。
結局、二部構成にして、小生が事前に宿題を出していたお題のセッションを一部で、Gingerケーススタディを中心にしたセッションを3人で二部としてやることに。
第一部では、昨年まで一年半続けた連載「インキュベーションの虚と実」 についての質問を受けた。
いくつかあった中で、二部とも呼応したポイントは、ユーザーとともに開発するマネジメントだ。情熱=思い入れがあるから起業するのだが、「思い込み」のままでは何ら価値はない。ほとんどのビジネス・プランやプロダクトは、顧客との初期のミーティングで粉砕される。それは、独りよがりのワナにはまるからだ。どんなに優秀なチームでも、ユーザーやパートナーなど関係者に仮説の検証をおこなわなければ、的を射たプロダクトにはならない。例えばGingerは、できるだけgenericなプロダクトにして世界共通にしつつ、主要市場のユーザーやパートナーからのフィードバックを早期に得てcustomer acceptanceを上げるよう努めている。
最近取り組んでいるInnovation Plusのワークショップでも、当初のアイデアが、ユーザーなどからのインプットを通して、劇的に変化・進化する例を目の当たりにしている。
[イベント]]
Innovation Plusのイベントで話します。アイデアがどう進化したかプレゼンとそのコンテストがあります。2月23日品川で、無料で参加できます。
「ジャパンビジネスモデル・コンペティション」|EventRegist(イベントレジスト)
Gingerは、Microsoft WordやAndroid上で英語の作文をするとき、間違いを指摘したり、よりお勧めの表現を提案してくれるソフトウェア&サービスを提供しています。創業ストーリー、イスラエルから各国への展開について、$20Mの資金調達、プライシング、など質疑応答に花が咲いた。
なお、フォーカスすことを繰り返し言っていたのが印象的。しかし、セミナー後にうかがったプロダクト・ロードマップ(内緒w)は野心的で、テクノロジーで勝負するイスラエル企業らしさを感じた。
[参考記事]
「正しい文法でネイティブ並みの英語が書ける無料ツール「Ginger Widget」」 - 誠 Biz.ID
「英文チェッカー「Ginger」にAndroidキーボード版 ネイティブ英語にリアルタイム修正」 - ITmedia ニュース
なお、創業者は、英語が不得手で、英文を書くときにGoogleなどオンラインのツールを使いながら、これは面倒だ、テクノロジーを使ってもっといいやり方ができるはず、と起業した。なんと日経ビジネスの特集「THE 100―2014 日本の主役」に選ばれた女性だ。iemo村田マリさんもツイートしてましたね。
[参考記事]
「イスラエルの至宝、女性起業家ヤエル・カロブ」
Waze(Googleが1千億円以上で買収)と共通の投資家も株主にもつGingerだが、Wazeと同様にクラウドソースで収集されたデータを蓄積し、それを分析して、自ら開発したアルゴリズムを使って、ユーザーに最適な答えを示す点で共通している。日本でもこういうスタートアップが出てきて欲しいものだ。
[参考記事]
「GoogleのWaze買収研究―なぜモバイル・ナビのスタートアップに11億ドルも出したのか? その影響は?」TechCrunch