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連載「インキュベーションの虚と実」への反響 6/10投資プチバブル

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ダイヤモンドオンラインでの連載「インキュベーションの虚と実 の第28回「プチバブル化するベンチャー投資 投資家、起業家よ、今すぐ頭を冷やせ!」が610日(月)に掲載されたが、多くの反響をいただいた。反響の中から少しばかり紹介します。

なお、「もう一つの問題は次回に。」とツイートしたが、あすの29回はこれとは別のテーマです。もう一つの問題・・つまり、シリーズAより前の、シード、アーリー・ステージの話は、30回から書いて行きます。来週は、500 Startups LPミーティングやPreMoney Conference に参加してくるので、米国からの示唆も勘案して、書くことになるかと。

では、第28回への反響について以下に。

Tweetから>

「支援側に相次いで色々な業界や組織が参入しているし、金余り気味のファンドもあると聞く。イベントがお祭り化している感も否めない。アメリカとは真逆の流れなんだろう。悪いことばかりではないけど。」
「待ってたこういう記事w」
「砂煙があがると、実態から乖離するので、望ましいとは言えないな。」
「資金調達はいつの時代も目的を達成する手段であることを忘れないようにしよう。」
「確かにIPO市場の好調を背景として、妙に営業マインドの高いVCが存在する。」
「確かに過熱感はある。」
「結局最後は、経営者への信頼や需給バランスで決まると思う。」
といったコメントがありました。

その一方、
「起業家が少し賢くなっただけでこの言いようか。」
「本荘修二、何やってる人なんだろ。せっかくベンチャー投資市場が回復してるというのに冷や水だな。数を打たないと成功例なんてでないのに。」
といったコメントもあった。
とにかく金がベンチャーに流れればよいという考え方、あるいはよく本稿を読まずに直観的にコメントしたかですかね。数を打つという点では、シード、アーリーの金不足の問題があり、本稿の対象とは異なるゆえ、30回以降をご期待されたい。なお、「賢くなった」というのは、文章を理解されていないということでかと。

「プチバブルの蚊帳の外にいます。」
はい、この方はシード段階ゆえ、金不足の問題があります。

「えーこんなバリュエーション?という感覚は日本より海外の増資ニュースで感じることの方が多いけどな。」
インスタグラムの一千億円級の評価額など、絶対額では米国が圧倒的に上回ってますね。

Kengo Ito @itokenv6
「成功の件数を増やすというところはまったくその通りだと思います。ただ、その道程にはより多くの失敗も結果的に発生するわけで、どのみち今のプチバブルに煽られようが煽られなかろうが健全な数の失敗は起こるべきですね。」
健全な数の失敗は起こるべき・・・全くその通り。成功できるのに手詰まりになるのは避けられれば避けたいですね。

 

Facebookより>

本間広宣さん 

さすが Shuji Honjoさん。激しく同意です。

ちょっとだけ違うところがあるとすればValuationの高い・安いは当事者同士が納得していればそればいいのかな、と思うところもある。

ただValuationの意味を正確に理解せず無邪気に評価額を提示してくる起業家、ファンドなど人から集めているお金にも関わらず俺の金、みたいな感じで振る舞っている投資家にはKMと思っちゃいます。(さっそくKMをつかってみました)

小生コメント
その通り! 一回にまとめるため、かなり単純化しました。 ストラクチャー、そしてパートナーとしての株主という視点が大切です。これらを見過ごしていると、
Exitなど大きな意思決定時にタイヘンなことになったりします。 ま、その象徴がvaluationに偏った判断ですね。それと、基本的に相対の商取引の値決めは、他人がとやかく言うことではない。もっとも、基本的な知識が欠けているの点は、教育的なインプットの意義はあるでしょう。

有本雄観さん

本荘さん、いつもわかりやすく的を得た連載、ありがとうございます。

違和感は全くありません。私は米国の事情には疎いのでそちらはよくわかりませんが、今の国内ベンチャー投資界隈は、シードアクセラレータやCVC等資金供給側が増加し、株式市場・IPO市場が久しぶりに活況となったことでプチバブル化していますね。ああ、またかという感じですが(笑)

 事業に必要な資金調達というより、条件の良い調達ができるチャンスだと鼻息を荒くする発行会社側と、良い勝ち馬を探してうまく乗っかりたいと考える投資家。全否定はしませんが、どちらも「中長期的なバリューの創出」という観点が大きく抜けていて、「近視眼的なマネーゲーム」だけになってしまっているんですよね。ただ、資金を受ける側も出す側も、ただの「お金に飢えた人達」で、「お金」がゴールになってしまっているような感じすら受けます。

いつまでも「資金調達できました」→「成功ですね。素晴らしい!」「パーティーだ!」みたいなレベルの低い掛け合いをやっているようでは、日本社会にベンチャーが根付くことも、米国のように業界が尊敬を集めることもないんでしょうね。

バリューを追求することが第一義で、その上で適切にお金を稼ぐ。私は少し前まで投資家側、今は起業家側ですが、お金の魔力に惑わされて原点を見失わないようにしたいと思います。

小生コメント
有本さん、小生の原稿よりずっと分かりやすいコメントありがとうございます。全くおっしゃる通り!エコシステム全般的に
uneducatedなのが現実なので、コツコツ改善して行くよう努めます。

Minoru Imanoさん

本荘さん、毎度素晴らしい連載楽しませていただいております。私も違和感は全くありませぬ。その上での感想に近いコメントになってしまいますが、①VBVCも、やはりExitが大事。その責任感や覚悟によっても、高い・安いの感じ方は変わる。②(少しマニアックですが)Post Money(調達後)が多少高いのは、そんなに悪いことではないとも言える場合がある。(縮小均衡への懸念として)。極論かもしれませんが、post20億円でも、精緻な仮説とリーズナブルな資金使途で、pre10億円で10億円調達し、その元手で企業価値を上げてくれるなら、、、という感じですね。

David Milsteinさん

Honjo san - GREAT article! Spot on in so many respects! As you call out, structure likely matters much more than valuation at the end of the day in terms of improving returns for the VC asset class.

今野さんとDavidのコメントは、ベンチャーキャピタリストとしての本質論を突いた知的なものです。本連載でもこういう上級編コンテンツも書きたい気持ちはありますが、そうすると読者がついてこれないし、その前に言っておく問題が山積みなのであります。まずは基本から。

で、ベンチャーのファイナンシングは、Exitへのプランと責任感が最も問われるわけです。ストラクチャーなど設計が大切で、これにより大きく左右されます。また、賢く使ってくれるなら、大きな額を投資することは意味があります。小生の古巣のGeneral Atlanticでも、数十億とか100億円とか一社に投資してました。成功確率が上がり、成長が加速して、Exitで意味があれば、post-moneyが膨らんでOKです。

Naoki Shibataさん

Shuji Honjoさんの良記事。僕の感覚でも、日本のVCから取る方が、圧倒的に評価額を上げやすいなぁという印象があります。シリコンバレーでも、トップのVCは厳しいけど、そうでないVC(日本のVCみたいなVC)もいます。

僕の感覚だと、シリコンバレートップのVCからのシリーズAの場合
「売上(年換算)
x 10

が、適正な評価額(の最大値)で、それ以上だとバブルですね。仕入れコストがあるビジネスの場合は、売上はグロスでなく、ネット(=粗利)になる場合が多いです。

年換算の売上が1億円なら、評価額が10億円、というイメージです。これ以上、ついているなら、何かがおかしいです。

起業家側からすれば、VCのレベルを落とせば評価額は上げられる訳ですが、むやみに評価額を上げると最終的なExitで苦しむ訳で、まぁ好みではありますが、個人的にはあまりやらない方がいいかなぁと思います。

柴田さん、シリコンバレーの生きた情報ありがとうございます。このように、シリコンバレーの起業家は、こうしたお金の話をよく知っています。日本に比べ、はるかにストリートスマートですね。

その他、「真贋 判定をする目利きができるか? といったことが極めて重要というかすべてではないでしょうか。」といったコメントがあった。
だから無知な投資がよいかというわけにはならないので、ま、本稿に対してのコメントというより、ご自身が考える投資のあり方を言っているということでしょう。

ソーシャルウェブ上のコメントは、ちゃんと読んでいなかったり、ふと思いついたコメントも多いので、今回もそういた例がみられました。が、別に悪いことではなく、議論や意見の発信が不足しているこの分野で議論が活性化することに意味があると思います。読んでくれたみなさん、コメントいただいたみなさん、ありがとうございます。

<追記>

国光宏尚さん
少し前の 本荘 修二 の記事なんだけど、かなり正論。良い悪いは置いていて現状10億円以上での買収は余程のことがないと買い手がいない。ということは、その前のラウンドの postバリューは5億円以内、最高でも6億円以内じゃないと投資家は苦しい。つまりシリーズAで6億円を超えてしまうとエグジットはIPOしかない。 IPOは上がることが目的ではなく、そこから持続的な成長が求められる。ビジネスモデル自体がそれだけ強力かつ儲かるものだと良いのだけど、具体的にいう と時価総額で100億円は付く感じなので少なくみて月1億円の経常利益、できれば1.5億円、それが見えないのであればIPOするのは苦しい。

シリコンバレーはGoogleやFacebook、Microsoftなどという、凄まじいバリュー(10億ドル) で買収してくれる旦那がいるからシリーズAやBでのハイバリューが正当化されるけど、残念ながら日本にはそんな企業は無いし、彼らに買ってもらうためには アメリカでの大成功というハードルがある。

経験の薄い起業家は兎に角、高いバリューでの調達が素晴らしいと考えがちだけど、一概にそうは言えない。高いバリューでの調達が良い場合というのは二つ で、1,今のビジネスモデルの延長で月1億〜1.5億の経常利益が見込める or 2,アメリカで大ヒットが見込める。その自信がなければ無駄にバリューを上げるのは命とり。次の調達も売却もできないゾンビ企業になってしまう可能性があ る。

後、それ以外の可能性は日本からGoogleやFacebookみたいな世界的にバンバン稼ぐ企業が生まれて、数百億円の規模での買収をドンドンし掛ける会社が出てくること。

皆んなgumiに期待しててくださいww

小生コメント: 国光さんは、具体的で現場感あふれるコメントをくれるのでありがたいです! 小生のアカデミックな語り口より、こっちの方が起業家には分かりやすい。 Gumiに期待!

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