ad:tech tokyo 2011 (5) 二日目 メディア・ストラテジー
ad:tech tokyo 2011の二日目「メディア・ストラテジー」なる3セッションのうち2つ=メディア戦略1と2について。
■再考:メディア戦略1 デジタル・テクノロジーが生み出した 環境と戦略の変化は何か?
10月28日 1:20pm - 2:10pm
Panelists
檜原麻希 株式会社ニッポン放送 編成局長
勝野 正博 株式会社博報堂DYメディアパートナーズ i-メディア局長
巴 一寿 株式会社 講談社 メディア事業局 局長 兼 中国事業室委員
薄井裕介 株式会社 TBSテレビ メディアビジネス 局 デジタルコンテンツ制作部長
Moderator
荻野欣之 株式会社ビデオリサーチ 取締役
いわゆる既存メディアの面々によるパネル。総じて、デジタルネットワーク革命を、チャンスと捉えていると。
講談社巴氏:
Steve Jobs本・・紙は毎日増刷で85万部、電子版のダウンロードは驚異的な数字。電子版を出すとカニバリゼーションを懸念する向きもあるが、京極夏彦さんの例のように電子版を出すと紙も売れる(小生の「ザッポス伝説」もそうでした)。
ニッポン放送檜原氏:
ラジオは、ハガキでリクエストとか、そもそもリスナーとパーソナリティが近い。色々と例があるが、たとえばTMレボリューション西川さんは、ツイッターである企業と知り合い会話してラジオのスポンサーやイベントが決まった(消臭力かな?)。
講談社巴氏:
雑誌…発売すると、コンテンツを都度捨てていた。これからは、せっかくのコンテンツをためて、二次的に様々に提供してビジネスにする。
出版社が自前でデジタル事業をやってもたいしたことできない。セグメンテーションメディアとしての価値を生かす。そして他社との協業を活用する。
ニッポン放送檜原氏:
従来のラジオは、広告主企業からのスポンサー収入だけで、リスナーは無料というB2Bビジネスだけだった。いまは個人のビジネスも。ユーザーからコンテンツ配信料を課金するなど、様々な形が可能に。コンテンツは同じでも配信先、デバイスによって形を変えていくことが必要。例)モバゲーの「オールナイトニッポンをつくろう」、AKB48とオールナイトニッポンのコラボコンテンツ。
本荘コメント:
こう生まれ変わることができる出版社(もはやこう呼べないかもしれないが)が生き残るだろう。講談社が広告局の名前をメディア事業局に変えたのは、形式だけではなさそう。
それに出版も放送も同じ方向性かと。自分の強いところを掘り下げて、他社と連携するというエコシステム戦略ですね。
■再考:メディア戦略2 トラディショナル・メディアは変れるか? それとも代わられるのか?
10月28日 2:20pm - 3:10pm
Panelists
川邊 健太郎 株式会社GyaO 代表取締役社長
渡辺洋之 日本経済新聞社 デジタル編成局 局次長
吉田正樹 株式会社ワタナベエンターテインメント 会長
Moderator
長澤 秀行 株式会社サイバー・コミュニケーションズ 代表取締役社長 CEO
みなさん:
「再考:メディア戦略2 トラディショナル・メディアは変れるか? それとも代わられるのか?」なるテーマがおかしい。主催者にクレームしたい(…確かにそういう二極化論はもはや意味がないですね)。
ワタナベエンターテインメント吉田会長:
テレビとネットは競合でなく同時に楽しむもの。音楽の曲の広がりが衰えている(ヒット曲があまり売れない)が、テレビとソーシャルの融合で復活も考えられる。ツイッター情報で飲食店にロケし、道中もツイートという試行も。
GyaO川邊社長:
統合視聴率=テレビとネットの視聴者の数と層をとらえる、を提案したい。いろいろと抵抗はあるだろうが、これは必要。
CCI長澤社長:
iADはスティーブジョブズの考えが反映されている…コンテンツ→広告。消費者は広告だけじゃ惹きつけられない。クリエイターはゲームやテレビの人材で、広告側じゃない人でつくっている(ゲーミフィケーションは必然な流れですね)。
本荘コメント:
いずれも新結合でイノベーションですね。そういう組み合わせができるかが鍵。それには実験が必要。そこから突破していく。スタートアップのピボット(pivot)などのアプローチが役に立つだろう。