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本当は知らないShareの意味、日米の差異

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最近話題の書籍「SHARE(シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略)」は、日本版をこばへんさん、関美和さんと素晴らしい小生の知人が携わって生まれた好著だ。



SHARE READERという本のフレーズをシェアするサイトをこばへんさんはプロデュースしておられ、「SHARE」は140人、小生が監訳の「ザッポス伝説」は159人の読者が本の一部をシェアしている。

このShareとは何か、先日議論した。(SPARK!のAJITO訪問時に勉強会も開催→勝屋久ブログ

日米の文化の差異ではよく言われることだが、そこで高須賀さん(@ttakasuka サイボウズ創業者)が自分の経験も加えて分かりやすく解説してくれた。
例えば、情報共有という言葉は日本では意味があっても、米国では理解されにくい。

<米国>
情報でも何でも、オーナーがありき。オーナーが他に分かちあうという「分配」=share

<日本>
publicにもたれたものを人々がアクセスして使うという「共有」=common

だから、Microsoftのエクスチェンジとサイボウズでは、上記のように構造が全く異なる。
社会の成り立ち、宗教などが絡まってできた文化の差異(cultural difference)ゆえの事象だ。
これを理解していないと上記の「SHARE」も深いところまでは理解が難しいだろう。

また、高須賀さんの次のコメントが興味深かった。
米国人にこれを話すと、いやー最近の若い者は日本的な考え方をするのが増えてきた、という反応があるとか。WikipediaやLinuxもそれを示しているのかもしれない。
一方、日本人は、逆に米国的なSHARE型の若い人が増えていると応えるだろう。

いまや、たった一つのシンプルなものを理解するにも、こうした文化や常識の多様性をおさえる必要があるのだ。だからなおさら面白い。

ちなみに、本ブログのタイトルにもShareという単語を使用しているが、これはその文字通り米国的な意味でのshareです。

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