adtech tokyo 2010 (4):マルチチャンネルマーケ、資生堂ほか
adtech tokyo 2010(http://www.adtech-tokyo.com/ja/)の振り返り四回目。今度は、マルチチャネルの話。事前の予想より、収穫があったセッションでした。
Integrated Marketing:
マルチチャンネルマーケティング:コンシューマーストラテジー
10月28日 3:50pm - 4:40pm
石川浩之
株式会社資生堂 国内化粧品事業部 事業企画部 コミュニケーション戦略室長
Dominic Powers
Senior Vice President, Asia Pacific Epsilon International
安藤 元博
株式会社博報堂 エンゲージメントビジネスユニット エンゲージメントプラニング局プロデュース部 部長
資生堂 石川氏は、AISASとか鵜呑みにせず、自社独自にコミュニケーション・メディア・マップをつくり、「Test/trial」「Realize」というステップを見出して「AITRA」という購買プロセスにまとめている。
また、顧客ターゲット層をコミュニケーションで分類し、共感や説得などアプローチを整理。
そして、「Test/trial」「Realize」をメインに、ウェブを中心としたコミュニケーション強化策をたてている。
拙著「大企業のウェブはなぜつまらないのか」で記した戦略的マッピングをほぼその通り実践しているようで、感銘を受けた。
Dominic Powers氏は、Epsilon社(http://www.epsilon.com/)の国際調査を紹介。これが意外と面白かった。各業態をみると日本の百貨店がいかにピンチか、あるいは日本の女性が店内マーケ(POPやサイネージ)によく反応する、など数値で再確認できて有用だった。日本は店舗からの電子メールが効くとか、インドの消費者は品質について日本よりも重視しているとか、も。同社サイトにデータはあるそうだ(http://www.epsilon.com//apac/cemreport)。
安藤さんは、モデレーターだがパネリストと同じようにプレゼン。メッセージから各メディアに展開する従来式の逆が求められ、各メディアごとにテーマのコミュニケーションを考案して具体的なエンゲージメントのアイデアとして実施する、という方法論を提案。
そうだと思うが、つまりは、ほとんどのプロセスがループ状になるというソーシャルウェブ時代の特性を表しているのだと思う。
なお、「@muraokeiko: アドテック東京のマルチチャネルマーケティングのセッション。モデレーターの設計が素晴らしく、よくまとまってすっと入ってきた。その前のセッションは間 逆で時間の無駄だった。モデレーターの力量、事前準備によってここまで差が出ることを改めて実感。」とのツイートも。よいセッションでした。