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最近チャットツールが注目されています。話題に応じて複数の部屋をすぐに設定して社内や社外の人と適切なコミュニケーションを構築できるほか、タスク管理、大容量ファイルのやりとり、そして電話映話会議ができるタイプもあります。そんなツールを開発している会社での、チャットでワークする日々を皆様にご紹介します。

Pepperに会ってチャットしたくなったこと

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一般販売モデルと先行型、2台がそこにいた

先日オルタナティブブログの懇親会にお呼ばれした。編集部が毎回なにがしかの趣向を凝らしてくれるのだが、今回は珍しいPepperに会うことができた。

なぜ珍しいかというと、2台来ていたうち1台が、先行型の200台のうちの1台がいたからだ。

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写真を撮っていなくて申し訳ないが、家庭用アプリがデフォルトでインストールされている一般販売モデルとくらべ、先行型にはあまりアプリが入っておらず、学習もせず、CPUも早くないとのこと。説明を聞いていると、Pepperがとても身近に感じてしまう。ちょっと形が普通と違うパソコンのようだ。

最近では月給5.5万円(税抜)のPepper for bizもいるそうだ。

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Pepperとチャットする?

仕事がら、ついつい考えてしまったのが、Pepperとチャットをするとしたら何をするのだろう、という点。

PepperにはAPIがあり、チャットワークにもAPIがあるため、何とか会話は可能と思われる。方法としては、Pepperの側からチャットワークのAPIをたたいてもらうことになるだろう。

チャットワークAPI

まずはPepperがログインするためのアカウントを作成し、そのアカウント用のAPIトークンを取得しておく。準備が終わったら、Pepperに見てほしいチャットにPepperを招待し、ルームIDを教えておく。すると、PepperがAPIを通してチャット上に書き込まれるテキストを確認することができるようになるというわけだ。

確認するだけだと会話が成立しないので、Pepper側で何かテキストを送ってみたり、何かのテキストがチャットに書き込まれた際の返事をプログラムしたりすることがおそらく可能だろう(Pepperがチャットワークをするプログラムを、是非どなたか(^^))。

でもこれだけだとなんだか昔からある人工無能と全く変わりがない。ちなみに人口無能は英語で言うとchatbotであり、まさによくあるbotのようなふるまいとなる。

PepperがPepperの形になっている理由

うーん、それが楽しいか?と考えれば、楽しいこともあるだろう。実際、ChatWork社内でも、チャットワークAPIを使いこなしている企業でも、botの活用はよくある手だ。まだβ版であるチャットワークAPIであっても、何かをチャットに書き込んで記録を残したり、集計したり、何かの返事をさせたりといった、ちょっとした楽しさを伴う業務利用botを比較的簡単に開発することができる。

確かにネットに接続しているPCのような存在であるPepperが、ある種のbotとしてふるまうことは難しいことではなさそうだ。

だがしかし、やはり違うだろう。

なぜならPepperは、人の形をまとった存在だからだ。人の形にさせているのは当然ながら理由があるはず。デフォルトで会話機能や感情機能などがインストールされていて、人間を個別に認識し、クラウド音声認識エンジンを駆使して会話をすることができる。

体は自分では動かせないなど限界があるが、コミュニケーションについて言えば、人間ができることを模倣しようとしているのは明らかだ。

まあ、人間でも隣に座っていながら会話ではなくチャットする場合もあるわけだから、会社や学校の休憩時間に家にいるPepperとチャットするのも案外自然になるかも知れない家にいるワンちゃんやネコちゃんの様子はどうかとか、郵便屋さんが来たよとか、雨が降ってきたから早く帰宅して洗濯物を取り込んでねとか、各種センサーを持っているPepperだからこその使い勝手がありそうだ。

会社の受付をしてもらえば、会いたい人を指定してもらえば普通にその人に来客をチャットで告げることができる。

プログラムしておけば、応対情報を集計してログにしたりできそうなので、感情というインターフェイスも持ちながら、裏側ではパソコン、という存在なのだろう。

Watsonなら、企画も考えてくれそう

Pepperがどこまで頭が良くなるんだろうと調べてみると、IBMがPepper用Watsonを開発するそうだ。

IBM Watson

考えるスピードと言い、考えるパターンの数と言い、Watson並みのロボットが近くに立っているとしたらどういう生活になるだろう? 電子レンジのタイマーセットを間違えたら指摘してくれるかもしれないし、ダージリンティーの抽出時間を正確に教えてくれるかも知れない。

いえいえ、家庭だけではない。いつかは会社にも、Watson並みのPepperがいる時代が来るかもしれない。最初は受付や接客から始まるが(Pepperは現在それがウリだ)、プロジェクトの進捗を確認したり、遅延の分析をしてくれたりするようになるだろう。

与える情報によっては、経営戦略を語りだすかも知れない。しかも人間が考えるよりずっと成功確率が高かったりして。

まあ個人的な希望としては、部署に1台、あるいは自分用に1台、Pepperが隣にいてくれ、業務やプロジェクトの進捗具合を気にしてくれ、次はこれをいつまでにしておくと安心だよとか、あれの数字が悪化しているから対処方法をいくつか考えたよとか、アドバイスしてくれたらどうだろう。もちろん客先訪問時などもPCを開いて、わからないことをPepperにチャットでこっそり聞いたりもできそうだ。

しかも社内にいるPepper同士は連携していて、自分が担当ではない部署の業務情報も素早く探し出して教えてくれたり、前任者や過去のログも洗った上での打ち手を考えてくれ、感情表現を行いつつ上手な言い回しで人間の決断を正しく導いてくれるとしたら、ちょっと嬉しい気がする。

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