HOME'Sマーケットレポート 2011年3月度 首都圏
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3月分のHOME'Sマーケットレポートを発表しました。3月11日に東日本大震災が発生し、新居探しに水が差された格好です。
とはいえ、大震災の影響が賃貸物件の募集、売買物件の募集に影響を与えるのは少し時間がかかると思われます。報道によりますと被災者の皆さんはなるべく住んでいたところの近くに仮住まいしたいと考えていらっしゃるようで、宮城県では賃貸物件がどんどん成約しているそうです。
本レポートは首都圏の一都三県が対象エリアですので、被災者の住宅ニーズはあるものの数量的には限定的かと思われます。
また、動向に詳しいHOME'S会員様によりますと、おもにアジアを中心に首都圏で働いていた外国人のかたがたが大震災とその後の原発の事故により、いったん帰国するという状況のようです。工場の稼働率も戻ってきているとはいえ、こちらは長引きますと賃貸借契約の解除が増加し、空室が増える要因となり得ます。
つまり、影響が長引くと、賃貸市場にとってはマイナスの影響が出ると考えられます。また流通市場も長期的にはマイナス要因の可能性はありますが、目に見えて液状化するなどした一部地域を除けば大きな被害はなく、エリアニーズに対する影響は、今のところ限定的ではないでしょうか。
来月以降のデータも是非見比べてご確認ください。
首都圏の賃貸マンション掲載物件では、平均坪賃料、平均礼金の下落が4ヶ月続いています。平均敷金は下落が11ヶ月続いています。
各都県の平均坪賃料で唯一前月に比べて上昇したのは、東京都の賃貸マンションで+0.3%でした。その他はすべて下落していますが、例年繁忙期末期の3月は1、2月に比べて下落しますので、例年通りと言えます。
首都圏の賃貸マンション問合せ物件では、敷金0物件・礼金0物件・敷金礼金0物件の各割合が前月に比べて増加を続けています。
問合せ物件の平均礼金は注目です。賃貸マンションでは対前年比で-15.5%、賃貸アパートでは対前月比で-10.9%、対前年比で-20.3%と下落が目立ちます。礼金0物件への問合せの増加が要因と考えられます。
首都圏の流通マンション掲載物件では、築10年未満、築10年以上ともに平均坪単価が前月に比べて下落しました。上昇したのは、東京都の築10年未満と、埼玉県の築10年以上だけでした。
神奈川県では、築10年未満、築10年以上ともに平均坪単価の下落が4ヶ月続いていますが、平均価格は前月に比べて上昇しました。平均価格が上昇したのは、首都圏では神奈川県だけです。
流通マンション問合せ物件の平均は、都県によって大きな違いを見せました。平均坪単価では、神奈川県の築10年未満が-9.5%と下落したのに対し、埼玉県築10年未満では+14.4%、埼玉県築10年以上では+11.1%、千葉県築10年以上では+35.8%と大きく上昇しています。
首都圏の流通一戸建て掲載物件では、5ヶ月続いていた平均坪単価と平均価格の下落が止まり、当月は上昇しました。
築10年未満掲載物件では各都県で平均坪単価が対前月比で上昇しています。また平均価格では築10年未満、築10年以上ともに、各都県で対前月比上昇しました。
首都圏の流通一戸建て問合せ物件では、築10年未満、築10年以上ともに、平均坪単価と平均価格が対前月比で下落。特に首都圏の築10年以上では、平均坪単価が対前年比-16.7%、平均価格が対前年比で-19.9%と大きく下げており、これはHOME'Sマーケットレポートの統計を開始したこの2年間で最低の記録となっています。
とはいえ需給バランスの良し悪しは都県によって異なります。東京都と埼玉県、千葉県では、築10年未満、築10年以上ともに、流通一戸建て問合せ物件の平均坪単価が対前月比で上昇。逆に神奈川県では下落しています。
首都圏の流通土地掲載物件の平均坪単価は、対前年比で-8.8%と下落しています。平均価格も対前年比で-14.8%と顕著な下落傾向で、この3年間で最低の水準です。
都県別では、埼玉県の平均坪単価が唯一対前月比で上昇しました。東京都の平均価格は対前月比下落が8ヶ月続いています。
神奈川県の問合せ物件では、平均坪単価が対前月比+21.3%、平均価格対前月比+7.8%となり、前月いったん下落したものの再び上昇しています。
首都圏問合せ物件でも、平均坪単価が対前月比で-3.7%、平均価格が対前月比で-8.4%となりました。
首都圏の売買土地掲載物件の平均価格が対前月比で-1.5%に対し、問合せ物件の平均価格は対前月比で-8.4%と、需要と供給のギャップはさらに広がっています。
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