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ツェッペリン・ファン注目!「ドラゴン・タゥーの女」はヴァイキングの侵略かもw

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「ソーシャル・ネットワーク」のデヴィッド・フィンチャー監督の新作「ドラゴン・タトゥーの女」が、いよいよ2月10日日本公開になる。本作は、その「特報」にレッド・ツェッペリンの「移民の歌」が使われて音楽ファンの注目も集めているが、この歌にはいろんな意味がありそうだ。

 ちなみに、特報で使われたのは、ツェッペリンのオリジナル曲のままではなく、ヤー・ヤー・ヤーズの女性ボーカリスト、カレンOが歌っているもの。アレンジは、「ソーシャル・ネットワーク」に続いて「ドラゴン・タトゥーの女」の音楽も担当するナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーが手掛けている。

 音もカッコイイのだが、興味深いのはこの曲の歌詞。実は「移民の歌」というタイトルから連想されるような穏やかなものではなく、白夜の国にすむ男達が石斧で西の海岸を侵略しに行くぞと宣言する、野蛮な戦闘の歌。北方バイキングの視点から歌うイングランド侵略の歌なのだ。これは史実に基づくもので、実際にデンマークやノルウェーのヴァイキングは8世紀から300年以上に渡ってブリテン諸島を侵略し、定住もしている。

 調べてみると、オリジナル曲の歌詞は、1970年6月にツェッペリンが公演でアイスランドを訪れたときに、ロバート・プラントがアイデアを得たものだそう。アイスランドは、9世紀にヴァイキングとアイルランドのケルト人が移民した土地。この北の土地が、英国出身のツェッペリンのメンバーたちに流れる北方ヴァイキングの血を騒がせて、この歌を書かせたのかと思わせる。

 そしてその北方の血は、監督デヴィッド・フィンチャーにも流れていたらしい。インタビューによれば、彼がこの曲を使おうと思ったのは、この作品の舞台スウェーデンでロケハンをしているとき。自動車を運転しつつ映画に合う風景を探しながら、彼自身が所有するレッド・ツェッペリンのベスト盤「マザーシップ」を流していて、この「移民の歌」にさしかかったとき、「この歌を使ったら、すごくイイかもしれないが、まったくダメかもしれない」と思ったという。そこで、すぐにトレント・レズナーに電話すると、レズナーはひとしきり笑ったあとで「それはぜひやらせてほしい」と言ったという。

 ただし、とフィンチャーは続ける「僕らは、ボーカルは女性でなくてはならないと考えた。なぜなら、この歌はリスベット(「ドラゴン・タトゥーの女」のヒロイン、過酷な状況をサバイバルする天才ハッカー)の戦いの雄叫びなんだから」。そして完成した曲は映画の「特報」で流れ、フィンチャーの狙った通りの効果を上げている。

 が、映画ファンには、この歌はもうひとつの意味も連想させる。この歌は、北欧映画勢によるハリウッド侵攻の歌にも聞こえてくるのだ。

 そもそも「トラゴン・タトゥーの女」は、原作も、話題になったTV版再編集映画もスウェーデン製。その映画版でリスベットを演じたノオミ・ラパスはロバート・ダウニーJr.主演の「シャーロック・ホームズ」続編や、リドリー・スコット監督の「エイリアン」前日譚「プロメテウス」にも進出。また、スウェーデン小説が原作のスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」は「モールス」にハリウッド・リメイクされ、監督トーマス・アルフレッドソンは、ゲイリー・オールドマン主演のスパイ映画「裏切りのサーカス」に抜擢された。スウェーデン出身男優たち、アレクサンダー・スカースガードは「トゥルーブラッド」で、ジョエル・キナマンは「THE KILLING〜闇に眠る美少女」でブレイクし、なんだか昨今、北方ヴァイキングによるハリウッド侵略が進んでいるようなーーと、そんなことも連想されるのだ。

 だが、そんな連想もデヴィッド・フィンチャー監督の思惑通りなのかもしれない。ハリウッドのお偉方にはあまり好かれていないフィンチャー監督は、この歌の選曲に、そんなハリウッドの現状に対する皮肉も込めているのかも? 


「ドラゴン・タトゥーの女」オフィシャルサイト
(注:「移民の歌」が流れるのは「予告編」ではなく「特報」)
http://www.dragontattoo.jp/

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