今度のファンタスティック・フォーはライミ版スパイダーマンっぽい?
今度の「ファンタスティック・フォー」は、サム・ライミ監督の「スパイダーマン」と、ジョシュ・トランク監督の「クロニクル」の中間のどこかの感じになるらしい。これは、本作のプロデューサーで脚本家のサイモン・キンバーグが発言したもの。
ちょっと補足しておくと、この頃のキンバーグの活躍ぶりはすごい。まず、20世紀フォックスのアメコミ映画のコンサルタントになって、本作や「X-MEN」シリーズとスピンオフのすべてにプロデューサー&脚本家として参加している。
それだけじゃない。「第9地区」のニール・ブロンカンプ監督の「エリジウム」と新作「Chappie」の製作にも参加。そのうえ、「スター・ウォーズ」の新たなTVシリーズ「スター・ウォーズ 反乱者たち」の製作総指揮だよ。さらにディズニーの大作ファンタジー「シンデレラ」の製作にも参加。これだけハリウッド大作に参加してるのだ。
ちょっと前までは脚本家で、「Mr.& Mrs スミス」(05)、「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」(06)、「ジャンパー」(08)、「シャーロック・ホームズ」(09)の脚本を書いていたのに、あっという間にビックになった感じ。
で、そのキンバーグは、同じ20世紀フォックスが製作でも、同じマーベル・コミック原作でも、「X-MEN」と「ファンタスティック・フォー」のクロスオーバーはあり得ないと発言してる。なぜなら「X-MEN」世界のミュータントは一部の人々に問題視されているけど、「ファンタスティック・フォー」世界のミュータントは人々に"ファンタスティック"だと思われているから。だからこの2つの世界は同じではない、と。これは正しい認識だろう。
その彼が言うには、アメコミ映画の個性を決めるのは、キャラ設定でもストーリーでもなく、"トーン(調子、雰囲気)"。そして、今、「クロニクル」のジョシュ・トランク監督が手がけている新たな「ファンタスティック・フォー」は、これまでのアメコミ映画とは"トーン"が違う、と。そして、この映画はサム・ライミ監督の「スパイダーマン」の楽しさと、「クロニクル」のリアルさの両方を兼ね備えたトーンになる。キンバーグはそう宣言しているのだ。
といっても、その配分がどうなるかがいちばん難しいんだろうなあ、と思いつつ、ますます楽しみになる、ジョシュ・トランク監督の「ファンタスティック・フォー」。すでに発表されているキャスティングは大胆で、ミスター・ファンタスティックは、正統派二枚目ではなく、7月日本公開のSFアクション「ダイバージェント」で憎まれ役を演じたマイルズ・テラー。ジョニー・ストームは白人ではなく、アフリカ系俳優のマイケル・B・ジョーダンが演じる。このキャスティングの意図を本編で確かめるのが待ち遠しい。