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大阪都構想のメリットとデメリット その2~大阪都構想の終焉

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2020年11月1日、大阪市の廃止と特別区の設置(いわゆる大阪都構想)の賛否を問う住民投票が大阪市民を対象に行われた。結果は5年前と同様に、反対派がわずかではあるが多数を占めた。テレビの開票速報も5年前と同じように進み、反対多数確定もほぼ同様のタイミングで打たれた。まるでデジャブーを見ているような気分に陥ってしまったのであるが、大阪市民である私が今回の住民投票を簡潔に解説してみたいと思う。

さて、今回の結果と5年前の結果を比べると次のようになる。今回の投票率はわずかに下がったが、結果はほぼ同様であることが判るだろう。

〇2015住民投票  有効投票総数 1,400,429
賛成 694,844 (49.6%)
反対 705,585 (50.4%) 差10,741

〇2020住民投票 有効投票総数 1,368,825
賛成 675,829(49.3%)
反対 692,996(50.7%)  差17,167

果たして大阪はこの5年間何をしていたのかと疑問を抱かないわけではないが、ともかくこれでいわゆる大阪都構想に終止符が打たれることだろう。さすがに3回目はないと市民として信じたいところである。

ところで、私は10月2日のブログ「大阪都構想のメリットとデメリット~都市計画と税収の観点からの考察」においてひとつの投票基準を示した。
それは、

大阪における都市計画の決定権を一元化してスピードアップを図ることにより、大阪の経済が発展し税収が増えると考えるなら「賛成」

大阪における都市計画の決定権を一元化してスピードアップを図っても、大阪の経済は発展しないし税収も増えない、またはどうなるか判らないと考えるなら「反対」

というものであった。このブログはかなりのアクセス数があったので、今回の投票結果に多少なりとも影響を与えたかもしれないと推測される。
しかしながら、この"命題"はいたって論理的ではない。なぜなら、「行政システムの変革」と「都市の経済成長」は直接関係ないからである。ここには論理の飛躍が存在しているのだ。すなわち、行政システムを変革して経済を発展させるというのであれば、変革により生まれる具体的な施策が盛り込まれないと説明がつかない。
残念ながら賛成陣営からは、最後までその具体的なものが示されることはなかった。繰り返し提示されたのは、現状でも進んでいるIR計画とすでに決定済みの万博ばかりであった。また、コロナ禍によるインバウンド需要の落ち込みに対する説明をあまり明確に打ち出せなかった。
おそらくここに、賛成派が勝てなかった理由のひとつがあるように思われる。賛成派はこの部分を具体例ではなく、夢と希望のムードで押し切ろうとした印象がある。これでは、冷静に時間を掛けて今回の住民投票の内容を分析する有権者の賛成を勝ち得ることは出来なかったはずである。

今回、賛成派はどうやら若者の支持に期待を寄せていた節があるが、各社の出口調査によると10代~20代の若者の賛否は拮抗していたようである。これは私見だが、彼らはインターネットを駆使し、いわゆる大阪都構想のことをよく調査・研究して投票に及んだのではないだろうか。賛成派の期待はあっさり裏切られたようである。


ともかく、結論は出た。
政令指定都市である大阪市は、存続して発展していかなければならない。インバウンド需要が当面は期待できない以上、大阪に事業所を増やし、また居住する人口を増加させる施策を打ち出さなければならない。首長、行政、議会そして民間に対しても大きな課題は引き続き突きつけられているのだ。いわゆる大阪都構想のように派手さはないが、確実に一歩ずつ大阪を前へ進めていかなければならない。

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