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我が国は現在、閉塞感が漂っているとよく言われていますが、実は、よく観察すると、新しいビジネスチャンスがあふれかえっています。それを見つけて、成功させるコツとヒントをご紹介します。

「B層」思考にご用心!

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B層という言葉が言われて久しい。元々は小泉純一郎総理の時代、小泉内閣が推し進める郵政民営化に賛成する小泉政権の支持基盤を指した言葉である。郵政民営化政策の宣伝企画を担当した広告会社が作り出した言葉といわれている。
さて、このB層の特徴は、「詳しいことはよくわからないが、小泉劇場のワンフレーズポリティクスを無条件で信じ支持する層」と規定されていた。平たく言えば、「影響力のある人物・組織などの情報発信を雰囲気で信じ、無条件で支持する層」といえるだろう。

参考までにこの広告会社が発案した各層の特徴は、wikipediaによると次のようになっている。

<A層>
エコノミストを始めとして、基本的に民営化の必要性は感じているが、これまで、特に道路公団民営化の結末からの類推上、結果について悲観的な観測を持っており、批判的立場を形成している。「IQ」が比較的高く、構造改革に肯定的。構成者は財界勝ち組企業、大学教授、マスメディア(テレビ)、都市部ホワイトカラーなど。
<B層>
郵政の現状サービスへの満足度が極めて高いため、道路などへの公共事業批判ほどたやすく支持は得られない。郵政民営化への支持を取り付けるために、より深いレベルでの合意形成が不可欠。マスコミ報道に流されやすく「IQ」が比較的低い、構造改革に中立的ないし肯定的。構成者は主婦層、若年層、シルバー(高齢者)層など。具体的なことは分からないが小泉総理のキャラクター・内閣閣僚を支持する。
<C層>
構造改革抵抗守旧派。「IQ」が比較的高く、構造改革に否定的。構成者についてはこれ以上の分析はない。
<D層>
「名無し層」「命名無し層」と呼ばれることも多い。「IQ」が比較的低く、構造改革に否定的。構成者は既に失業などの痛みにより、構造改革に恐怖を覚えている層。

この分類によれば、IQの高低が各階層を分類する重要な要素となっているが、この郵政民営化騒動以降にさまざまな状況で登場する「B層」を見れば、IQの高低などあまり関係ないように思われる。人間というものは、もともとそれほど論理的な生き物ではないし、世界中あらゆるところで神話を信じ、宗教を生み出している。それが心のよりどころとなり精神的な安定をもたらしている間はいいのだが、それが度が過ぎると社会的・政治的に問題を生じる。

つまり、「B層」なる集団の増殖は、論理が感情に負けることである。言い換えれば、科学技術が社会学に負けるのだ。平穏な時代ならそれも社会のゆとりして容認されるだろう。しかし、混乱期・動乱期・転換期においては、我々は大きな間違いを犯してしまう可能性が高くなる。

このような話をしても、「私はB層でないから関係ない。IQ高いし...」などと考える人も少なくないだろう。しかし、私は誰もが様々な状況でB層になり得ると考えている。自戒を込めていえば、今自分が支持している政治的・社会的テーマは論理的なのかどうかつねに再点検することが必要ではないだろうか。

まさに、「B層思考にご用心!」なのである。

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