ブレイクスルーのキッカケ
最近社内で定期的に開かれている、フリー座談会。
ベテランから若手までがランチタイムに集まり、弁当を食べながら座談会をするというもの。テーマはその時によって違う。
集まった人たちの中から、聞きたいこと話したいことを募集し、一つか二つテーマを決めてフリートークをするという仕掛けだ。
前回のテーマは、「ブレイクスルーのきっかけ」だった。
奇しくもこのブログのタイトルと同じ。でもよく考えるとこのブログで「ブレイクスルーのきっかけ」について書いたことがなかったので、この時の話を少し整理して書き残しておこうと思う。
この時は、20人くらいが参加していたのだが、ディレクターが4人ほどいた。百戦錬磨のケンブリッジの経営メンバーだ。
このメンバーが自分のブレイクスルー体験を語ってくれた。全然違う経験をしてきた人々なので、体験もさぞバラバラだろうと思ったのだが、よくよく聞くと、実はよく似ていることがわかった。それは大きく3つに集約されそうだった。
①本当に苦しかった時
②自分が前に出た瞬間
③全力を投じた時
どんな話だったのか、一つずつ紹介する。
①本当に苦しかった時
仕事をしていると、必ず苦しい時がやってくる。
・自分の仕事がなんだかうまくいかない。
・お客さんとの関係がどうにも良くない。
・お客さんからクレームをもらってしまう。
・チームの雰囲気が良くない。
・大きなミスをしてしまった。
・仕事が難しすぎる。
・やることが多すぎて、全く回らない。
など、きつい局面に追い込まれることがある。出来れば避けたい状況だし、仕事は平和に、気持ちよくしたいものだ。
だが「キツイ局面こそ、ブレイクスルーがあった」と、ディレクター全員が口を揃えていた。
とはいえ、ただ単にしんどい思いをすればよいわけではなく、ブレイクスルーが起こるポイントは2つあるように思えた。
a)キツイ局面に真剣に向き合っていること
「ああ、きついな...頑張ろう...」ではダメだ。思考停止して嵐が過ぎ去るのをじっと耐えて待っても、ブレイクスルーはやってこない。
また「XXさん、こんな状況ありえません。なんとかしてくださいよ!」と、他責にして主張だけするのも、思考停止の一種だ。
そうではなく、どうすればこの状況を打開できるか、どうすれば少しでも良い状況になるのかを必死に考えながら仕事に向き合うこと。
状況を捉え、分析し、打ち手を考え、試行錯誤する。
これができれば、きつい状況を最高の経験に転換できる。ディレクター達は毎回そうやって苦難を乗り越えて来ていた。
b)ブレイクスルーは最もきつかった時期から数ヶ月してやってくる
本当にキツイ時期は、ブレイクスルーなんて実感することはできない。目の前の局面を乗り切ることで手一杯。
でも乗り切ってしばらくすると、一回り大きくなっている自分に気が付くのだ。
これは筋トレにそっくりだ。負荷をかけて筋肉が悲鳴を上げている時は、つらい。その後少しすると超回復が起こり筋肉が増強される。
そんな感覚だ。
苦しい状況は避けるのが第一だが、そういう局面は誰にでも必ずやってくる。簡単には逃げられない。
だから、キツイ局面に陥ったら、むしろチャンスだと開き直り、全力で取り組んでみて欲しい。そして、その後の成長を味わってもらいたい。
②自分が前に出た瞬間
2つ目は「自分が前に出た瞬間」である。これは、4人で微妙に表現が異なっていた。
- 丸っと仕事を任せてもらえた時
- 上司が辞めてしまって、全て自分がやるしかなくった時
- 他責にせず「自分の責任でやる」と肚をくくった時
- この仕事については「誰よりも詳しい」「誰よりも考えている」と思えた時
表現は違うが、こんな状況になるとブレイクスルーがやってくるようだ。僕の経験からも確かにそうだと思える。そして、さらに話を聞いていくと、その状況になった「キッカケ」も各々違うようだった。
- 上司の退職など、不可抗力でそうせざるを得なくなったケース。
- 「自分で考えてやれ」とか「君はどう考えているんだ?」「君が経営者だったらどう判断する?」という感じで、意図的に上司が整えてくれたケース。
- 自分で自分の姿勢を変えたケース。
僕自身は、先輩にケンカを売られたことがキッカケで、自分の姿勢が変わった。この時の話は以前ブログにも書いたので興味があればこちらから。
<https://bhttps://blogs.itmedia.co.jp/henkakuya/2018/06/post_16.html>
とにかく、誰かに頼らず「俺の仕事だ」「自分で決断する」と肚を決めた瞬間に、何かが起こるらしい。この状態に身を置ければブレイクスルーが起こりやすくなる。
でも、上司が環境を整えてくれるかはわからない。だから他責にせず、自分で環境を作るしかない。自分で気持ちを入れ替えるしかない。
「自分の責任でやる」と肚をくくれればいい。他責にせず、自責の姿勢で望む。
「この仕事については誰よりも詳しくなる」「社内で第一人者になる」という姿勢で仕事に望むこともできるだろう。
人間は易きに流れる傾向があるので、言うほど簡単ではないが...。
③全力を投じた時
これも複数の表現がされていた。
- 限界までやった時
- 時間を忘れて、仕事にのめり込んだ時
- 「こんなもんかな」と思ったところから、さらにもう1歩踏み込んだ時
など。
確かに、こうなったら成長しそうだなと思える。
でも、なかなか「全力を出せ」とか「限界までやれ」とか「時間を忘れてのめりこめ!」と他人から言われても実行するのは難しいものだ。全力ってなんだよ...とかね。のめりこめって言われてもね。
実行しやすいのは「もう一歩踏み込む」という話だと思う。
僕の前職ダイワハウスには、創業者の言葉で「今一歩踏み込め」というのがあったのだが、当時はよくわからなかった。
でも今になって身にしみる。
自分が満足した地点から、もう一歩だけ踏み込んでみるのである。自分が「これでOKかな」と思った地点から、もう一歩踏み込む。
言い換えると「与えられた仕事」が完了した地点から、もう一歩、余計に踏み込むことで「俺の仕事」に変えるのである。言われたことをやる作業から、自分で考えて動く、本当の意味での「仕事」になると全然見え方が変わる。
あなたの今の仕事で、もう一歩踏み込むとしたら、何ができるだろうか?
考えてみるのはタダ。考えた上で、行動に移すかどうかは別の問題だ。考える癖を付けておかないと直ぐに、言われたことだけやる思考停止人間になってしまうだろう。
まとめ
以上、社内のフリー座談会から「ブレイクスルーの3つのキッカケ」を整理してみた。
正直この3つは、わりと関連している部分もあって、綺麗に分類できてないのだが、実戦で少し意識するくらいなら十分だろう。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに所属するコンサルタント榊巻(さかまき)がお送りするブロク。
Havefun!(楽しもうぜ!)を合言葉に日々仕事をしています。ケンブリッジはお仕事の依頼も、一緒に働く仲間も絶賛募集中。
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