ケンブリッジ語録#30 タスクの優先順位は「緊急度」や「重要度」で考えてはいけない
僕が勤めるコンサルティング会社、ケンブリッジには、厳しいプロジェクトの現場で生まれてきた「語録」がある。
多くのコンサルタントの琴線に触れ、成長を促すカンフル剤になってきた。現場感がみなぎるエネルギッシュな語録を書き留める。
今回はこれ。
タスクの優先順位は「緊急度」や「重要度」で考えてはいけない
タスクに対する優先順位をどうつけていますか?
そもそも優先順位を考える基準を持っていますか?
それは言語化されていますか?
有限のリソースで仕事をしている以上、これは極めて重要な問いだと思う。
芸術家ではなく、一定の成果を生み出さなければいけないビジネスパーソンとしてはバリっと答えられなくてはいけない。
タスクの優先順位といえば・・・一般的には
・締切が近いものを優先して
・やらないと死んでしまう重要度の高いものを優先して
と言った考え方が大勢を占めている気がする。「重要度」「緊急性」の2つの軸で考えるやり方だ。
「7つの習慣」などでも、「緊急性にばかり囚われてはいけない。緊急ではないが重要なタスクの優先度を上げるべきだ」と語られているし。ある側面ではその通りだと思う。
確かにその通りなのだが、日常のビジネスの現場を考えた時には、単純な「重要度 or 緊急性」で優先順位を決めてはならない。じゃあどうすりゃいいんだ?
僕らが考えている「タスクの優先順位(手を付けるべき順番)」はこんな感じ。
① 相手がある仕事(何かを調べてもらうとか、作業してもらうとか)
② 後どのくらい時間が必要かわからない仕事
③ 一番締め切りが近い仕事
④ 重要度の高い仕事
単純に重要度/緊急性で判断すると、③と④が優先される。しかし、組織で仕事をする場合、①と②にさっさと仕掛らないといけない。
「①相手がある仕事」を一番に持ってくる
タスクは自分だけで完結できるもものばかりではない。誰かと連携して進めたり、一部のタスクをお願いするケースは多い。こうしたタスクでは、「相手」がボトルネックになって、こちらの仕事がスタックする可能性がある。
相手の状況は見えないし、相手がどのくらいの速度でその仕事をやってくれるかもわからない。つまり、相手が絡む部分は完全なブラックボックスになってしまう。
また、依頼される相手も、時間に余裕があれば自分の裁量のなかで最も効率の良いタイミングで仕事を進められる。期限ギリギリに仕事を振られて、困った経験もあるのではだろうか。
これを解消するためにはとにかく早いタイミングで仕事を振ることだ。だから「相手がある仕事」はもっとも優先度が高くなる。
「②後どのくらい時間が必要かわからない仕事」が次点
後どのくらい時間が掛かるか見えないなら、その時点で危険信号なはずだ。(ケンブリッジではYELLOWFlagと呼んでいる)
時間が読めていないなんてマジでヤバイ。
2日後が締め切りの仕事があったとして、もしかしたらそれは4日掛かる仕事かもしれない。だとしたらその時点でアウトだ。
だから「後どのくらい掛かる」のかが見えない仕事は、優先度を上げざるを得ないのである。
もう少し言うと「後どのくらい時間が掛かるか見えた段階」でそのタスクの優先度は下がる。
刻一刻とタスクの優先順位は変わる
こういう基準で考えると、刻一刻とタスクの優先順位が変わる。常にタスクの状態を見ながら、優先順位の基準に照らし合わせていく必要がある。
この考え方だけが正解だとは思ってないが、「自分なりのロジック」をきちんと言語化して持っていないといけない。
あなたは「なんとなく」でタスクの優先順位を決めていないだろうか?
自分なりの基準をしっかり持っているだろうか?