展示会で「人が集まるブース」、「集まらないブース」の違いを考えてみた
アジア最大級と言われる「医薬品」「化粧品」「洗剤」の研究開発・製造技術国際展、インターフェックスジャパンが、昨日(2011年6月29日)~明日(7月1日)まで東京の国際展示場で開催されています。今年は、同時開催展も合わせて1509社が出展し、来場見込み数は約6万人強。その展示会に本日行ってきました。
目的は、今年新入社員研修を担当した企業様の、新入社員さんたちがお手伝いに行くと伺っていたので激励に。研修が終わってしまうと会う機会がなくなってしまうので、さみしいんですよね。ということもあり、このような機会を利用して、応援していることが伝わるように足を運んだりするのです。
声をかけた後、ブースを離れ遠いところから眺めると、笑顔で元気よく取り組んでいる様子。巨人の星の明子ねーさんみたいな心境ですが、頑張っている姿を見るとこちらも元気をもらえます。本当に行ってよかったです。
さて、本来ならばここで目的達成なのですが・・・、"人が集まっているブースと、集まっていないブース、この違いは何!?"ということが気になり始めました。
約1時間半ほどの観察で見つけたポイントですが、人材育成のコンサルティングに携わる立場から見て、違いを感じた点について、まとめておこうと思います。これからこうした展示会への出展をお考えの方が、企画や計画を立てる際のヒントにしていただければ嬉しいです。
×人が集まっていなかったブースの特徴
【人の面】
・社員が中で座って、うちわでパタパタ(或いは、ぼーっとしている)。暇そう。意欲を感じない
・ブースの入り口付近で、社員2~3人が立ち話し
・案内する社員(コンパニオン)が多すぎる
・機械を展示している場合は、機械を動かすことに夢中
・アンケート記入用のクリップボードを持って、うろうろしている
・配布されたサンプルを受け取ると、名刺を要求され、心理的に負担。商品やサービスへの興味も失う
【ブースの作り方の面】
・会社名を前面に出しすぎ。今回の展示で最も伝えたいことが、よくわからない
・パネルなどでアピールしている内容が、会社の事業分野の紹介になっている。総花的
・パネルなどでアピールしている内容が、「商品名」「機能」
・ブースの中に入らないと、展示品を見ることができない
・同様の商品やサービスを提供している会社と、何が違うのかよくわからない
*人が集まっていたブースの特徴
【ブースの作り方の面】
・サインやパネルなど、来場者の目をひくところに、来場者の関心ごと(困っていること)に気を配った表現を使っている
・サインやパネルなどで、他の商品との違い(または独自の技術)を明確に(ワンフレーズで)アピールしている
・サインやパネルなどにユニバーサルデザインの図柄が入っている。海外の方への配慮を感じる
・通路の一番近いところで実演をしている。実演をしている人と、声をかける人は別
・集まっている人が多く、楽しそうな雰囲気
≪気づいたこと≫
皆さんもお気づきだと思いますが、人が集まっていないブースで気になった【人の面】は、人が集まっているブースでは、まったく気にならないんですね。というか、人の配置がちょうど良い感じです。
人が集まっていたブースは、展示会への出展前に1.展示会に出展する目的と、2.自分の会社に関心を持ってほしい対象が絞りこまれている印象を受けました。そして、1.2.を明確にしたうえで、さらに次の7点をしっかり考え抜いています。
(1)来場者の関心ごとは何か(2)他社との違いは何か(3)自社のアピールポイントは何か(4)何を(或いはどこを)訴求するか(5)訴求するための短いキーワードは何か(6)関心を持ってもらうポイント⇒相談しやすい環境 という、人の気持ちと行動の流れ(7)その後の対応 などです。
要は、コミュニケーションフローが出来上がっているんですね。フローを考え抜くことができていれば、当日の人の配置も、過去の来場者数から割り出して、遊ぶ人がいないようにすることは難しくないでしょう。
展示会でなくても、会社案内やホームページも同じことが言えるかもしれません。もしかしたら、マネジメント全般にも共通・・・?
ちなみに、小さな企業ほど「残念!」と思うことがたくさんありました。その残念なポイントの中で一番多かったのは、「他でやっていない、実績のある商品やサービスを打ち出せていない!」ということです。何を打ち出しているかというと、「会社名」「取扱商品群」なんです。その会社の独自性のある商品やサービスといった、伝えるべき点が話をじっくり聞いてみないとわからないのです。(お話を聞くと、"なぜそこをアピールしない!!"ということがたくさんありました)
もっと、超ニッチなことだけに絞り、その技術背景などを見せていってもいいような気がします。
日本の会社の素晴らしい技術、商品、サービスが、もっと多くの人たちの役に立つことを願っています。そのためにも、今日の気づきをお役立ていただければ嬉しいです。
(参考情報)
第25回 インターフェックスジャパン http://www.interphex.jp/
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