成功をためらう人へージョン・レノンからのメッセージ
"お金の話をすることは卑しいこと"と、感じる日本人は多いのではないでしょうか?そのためか、必要以上にお金を得ること、金銭的に成功することに対し、どこか後ろめたい気持ちを持つ人は多いようです。その感情は、日本特有のものかと思っていたら、イギリス、リバプール出身のシンガーソングライター、スティーブ・ティルストン氏も同じ気持ちを抱いていたそう。
21歳の不安
「成功や富が自分の作曲をダメにしてしまうのではないか」と雑誌ZIGZAGのインタビューで語ったのは、1971年にデビューアルバムを発表した、当時21歳のスティーブ・ティルストン氏です。
その記事を読み、メッセージを送った人がいました。それは、同じリバプール出身のスーパースター、ジョン・レノン氏(以下ジョン)です。当時ジョンは、ビートルズを解散したばかり。既に世界各国で成功をおさめたスーパースターが、将来の可能性に溢れる同郷の若者にメッセージを送ったのでした。内容は次のようなものでした。
「裕福になることはあなたの考え方を変えるものではない。唯一の違いは、お金や食べるもの、住むところに悩まなくてもよくなるということだ。でも感情や人との関係などはすべて他の人と同じ。私もお金持ちになったり貧乏になったりしているし、ヨーコも同じ。だからそんなことを心配する必要はない」
(記事原文:2010年8月17日 BBCニュース配信より引用)
"He said he had been poor and was now rich, but was still engaged with songwriting and life was still throwing up interesting things."
In the letter, Lennon writes: "Being rich doesn't change your experience in the way you think."
"The only difference, basically, is that you don't have to worry about money - food, roof etc. "But all other experiences - emotions, relationships - are the same as anybody's."
55歳で知る運命のいたずら
しかし、ジョンから送られたメッセージが、スティーブ氏の手元に届いたのはなんと34年後でした。それも、オークションの出品にあたってその手紙が本物か偽物かを確認するための連絡があり、初めて知ることになったのです。手紙は、ティルストン氏本人と、インタビューを行った記者に送られていましたが、ティルストン氏には届いていませんでした。
「電話をしたい」60歳の今
その手紙にジョンの連絡先が書かれていたことから、「ばかげているのはわかるが、時が経つにつれて電話したいと思うようになった」と、現在スティーブ氏は語っているそうです。そのスティーブ氏は、20枚以上のアルバムを発表し、デビュー40周年を迎え、小説家としても活躍されているそう。ジョンとどんな話がしたかったのでしょう?聞いてみたい気がしますね。
"Being rich doesn't change your experience in the way you think. "と言える成功者になることが、大事かもしれません。
さて、関連する情報をご紹介します。9月30日に、"さいたま ジョン・レノンミュージアム"が閉館するそうです。このミュージアムには、ジョンにゆかりの品が多数展示されているそうです。閉館に合わせ、オノ・ヨーコさんのメッセージが公開されています。(以下は、ヨーコさんのメッセージが掲載されているサイトです)こちらも素敵なメッセージです。
http://www.taisei.co.jp/museum/news/news/100204.html
(参考情報)
BBCニュース(スティーブ氏にジョンが送った直筆の手紙が掲載されています)
国際ニュース(AFP配信 2010年8月17日)
http://www.afpbb.com/article/entertainment/music/2748807/6085488