オルタナティブ・ブログ > 「ベンチャースピリット」 X 「セレンディピティ」 >

シリコンバレー駐在のIT商社マン、榎本瑞樹(ENO)が綴る米国最新ICTトレンド

今年のBest of InteropはVMwareのvSphere 4が受賞!

»

Boi

 Best of Interopは、その年の1月以降に発表され、9月までには販売開始できる新製品を対象にInformation Week誌がスポンサーとなり、業界有識者によって選ばれる伝統あるアワードです。「Infrastructure」、「Network Management」、「Security」、「Data Center & Storage」、「Wireless & Mobility」、「Collaboration & Unified Communications」に今年から「Cloud Computing & Virtualization」が加わり、そのカテゴリー毎にWinnerが選定されます。更にその中から最優秀賞である「Best of Interop(Grand Prize)」が決定されます。

 ここ最近のBest of Interopは、Crescend Networks ALP Technology(2006)、NetXen 10G Ethernet Expansion Card(2007)、Palo Alto Networks PA Firewall(2008)となっています。そして、今年のBest of Interop受賞はこちら!

<Best of Interop>
VMware, VMware vSphere 4

<Cloud Computing & Virtualization>
VMware, VMware vSphere4

<Collaboration&UC>
Cisco, WebEX Node on Cisco ASR 1000 Series Router

<DataCenter & Storage>
Cisco, Unified Computing Systems

<Infrastructure>
Juniper, SRX650 Service Gateway

<Network Management>
ScienceLogic, EM7 G3

<Performance Optimization>
Expand Networks, Virtual Accelerator

<Security>
CHARGE Anywhere, PCI Security Solution

<Wireless & Mobility>
Aruba 600 Series Branch Office Controllers

<Best of Start Up>
Rhomobile, Rohodes

<Green Award>
Cisco, EnergyWise

それでは、今回は上記よりBest of Interopを受賞したVMwareとBest of Start UpのRhomobileをご紹介したいと思います。

■Best of Interop VMware-vSphere 4

20090522_144  仮想化ソフトベンダーの同社は、従来の「VMware Infrastructure3」の後継製品として「vSphere 4」を業界初のクラウドOSとしてリリースした。拡張性の面では、仮想マシンあたりの仮想プロセッサを4→8へ、メモリを64GB→255GB、スループットを9Gbps→30Gbpsへと強化され、単一の論理リソースプールとして扱える上限は、最大で32台/2048コアの物理サーバ、32TBのRAM、16PBのストレージ、1280台の仮想マシンをサポートと向上された。効率性の面では、シン・プロビジョニング機能を搭載し、仮想マシンが必要な場合のみにストレージを消費する機能で最大50%の容量削減を実現している。

 20090522_109 管理性ではvNetwork Distributed Switch機能によって、仮想環境における仮想マシンネットワークのプロビジョニングや管理、制御を簡素化している。先月Ciscoが発表した分散仮想スイッチ「Nexus 1000V」に対応したり、同じく「Data Center & Storage」カテゴリーでWinnerを受賞したCiscoの「Unified Computing Systems」にあるサービス・プロファイル機能を利用することで、新しいホストプロファイルとゲストテンプレートを使って仮想マシンの作成、設定するなど管理面の充実を図っている。

 また、ハードウェアに障害が起きた際には自動的に仮想マシンをセカンダリへ移行し、ダウンタイムなく処理を継続するフォルトトレーランス機能も追加している。

 加えて、クラウド間のダイナミックな連動をサポートし、パブリック・クラウドとの相互接続性を標準化する機能の提供するなど複数のデータセンタを跨るプライベートクラウドの構築が可能となる。これにより、企業システムのクラウド化を検討する際の選択肢の第一候補となりえることは明らかであるが、ElastraやEnomaly、Eucaliptusなどオープンソースベースのクラウド構成ツールやクラウド管理ツールのスタートアップ企業も台頭してきており、破壊的テクノロジーになりうるイノベーションが生まれているのも確かだ。仮想化リーダーのVMwareやクラウドリーダーのAmazonの機能拡張に対して、スタートアップの独創的なテクノロジーとインプリまでのスピード感のどちらがマーケットを支配してゆくのか今後が楽しみである。価格面はもちろん、データ・ポータビリティやセキュリティなどの課題をどのように乗り越えてゆくかがポイントとなるだろう。

■Best of Start Up   Rhomobile-Rhodes 

20090522_130  同社の提供するRhodesは、モバイル・アプリケーションを開発するためのRubyベースのオープンソースフレームワークで、GPSやSMS、カメラ、PIM機能をサポートするもの。これまでモバイル・アプリケーション開発者は、異なる端末メーカ向けの開発をするためには、各々のソフトウェア開発キット(SDK)を使用する必要があった。しかしながら同製品を利用することにより、開発者はAndroid、BlackBerry、iPhone、Symbian、Windows Mobileの異なるスマートフォンOS上で、ネイティブ・アプリケーションを開発することができる。一度プログラミングすればどのOS上でも稼働するということで、コストと時間の大幅削減に期待が持てる。

 Forrester Researchの最近の報告書「The "Smartphone" Is Dead:Long live smart Phones and Smart Gadgets」では、スマートフォンのスマートさを表現するために「オープン性」、「消費と作成」、「有用性と娯楽性」と3つのフレームワークを定義するとともに携帯メーカ各社の生き残り戦略を示している。報告書によると「昨日のハイエンドのスマートフォンは、今日のミッドレンジ携帯であり、明日にはエントリーレベルの携帯になる。」とのことで、ハードウェアでイノベーションを起こしたとしても、1年半もしないうちにコピーされてしまう事実をiPhoneの登場後、直ぐにGoogleのタッチスクリーン端末がリリースされたことを例に挙げている。

 つまり、スマートフォンが生き残るにはアプリケーションやプラットフォームとなるOSなどソフトウェアが決め手となるとのこと。しかしながら、Rhodesの開発フレームワークの技術革新により、異なるOS上で同一のアプリケーションが動作するようになると、ソフトウェアまでも各社の差がなくなり、生き残るためには提供価格とマーケティングだけがポイントとなるのではないか。どちらにしてもISVや個人アプリケーション開発者にとっては、先日紹介したSaaS型課金サービス・プラットフォームも合わせて要チェックな製品であることは間違いない。

  次回は、Cisco、Foundry、Extreemなど各スイッチ大手ベンダーの10ギガビットEthernetスイッチ、モジュールに対抗するスタートアップ企業を紹介予定です。

Comment(0)