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シリコンバレー駐在のIT商社マン、榎本瑞樹(ENO)が綴る米国最新ICTトレンド

来週から始まる「Interop Tokyo 2010」お勧めセッション

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今年も「Interop Tokyo 2010」の季節がやってきた。Interopは、その名の通り相互運用性(”Interoperability”)からきており、オープンな仕様で動く機器を持ち込み接続する場であったが、最近はトレードショー的な色合いが濃い。1994年から開催され今回で17年目を迎える日本最大のICTイベントだ。出展者は約300社、14万人の来場者が幕張メッセに集結する模様。

本エントリーでは、来週から始まる「Interop Tokyo 2010」の独断と偏見によるお勧めセッションをご案内したい。

前回のエントリーでも触れたが、今年のInterop Las Vegasのトピックスは、仮想化データセンター、クラウド指向データセンターと呼ばれる次世代データセンター。仮想化環境の進展に伴い、それを支えるネットワーク技術にもイノベーションが起こっている。サーバー市場に参入を果たした業界リーダーのシスコと事業者向けのコア・ルータ市場からエンタープライズ事業強化を図るジュニパーの両巨頭の基調講演は比較しておきたいところ。

6月10日(木)10:30-11:15
クラウドコンピューティングに向けた企業ネットワーキング変革への道

 ジョン・マックール氏(Senior Vice President, Cisco Systems, Inc

6月11日(金)14:15-15:00
「クラウド時代に向けた次世代ネットワーク」

 デイビット・イエン氏(Executive Vice President, Juniper Networks, Inc)

やっぱり、クラウド関連の基調講演は見逃せない。

業界の牽引するアマゾン、シンガポールのデータセンター設立に続いて、年内には日本進出も噂されている。IaaS(Infrastructure as a Service)のリーダーによる活用事例が満載な模様。もう雲を掴むような話なんて言ってられない。

6月10日(木)16:45-17:30
「アマゾン・クラウドの真実」

 ジェフ・バー氏(Senior Evangelist, Amazon Web Service LLC)

日本国内においても活発化しているクラウド・サービスの発表。いわゆる仮想化ホスティング・サービスを「クラウド」と呼んでいる「なんちゃってクラウド・サービス」も少なくない。

「VMwareだとちょっと高いし、オープンソースのXenやKVMベースでスクラッチから作るのは大変、管理性もイマイチだし。」などと悩んでいる事業者の皆さん。セルフサービスポータルによるオンデマンド、自動化機能を備え、オープンソースのXen、KVMなどの仮想環境をクラウド化するEnomaly社のCEOが語る真のクラウドが、ここにある。ちなみに、昨年11月に品川で開催された「Cloud Camp in Tokyo」で来日したルーベン・コーヘン氏は、同社の創設者。

6月10日(木)15:30-16:15 
「相互運用性の確保、高い可用性とセキュリティ、電力効率の向上」

 リチャード・ライナー氏(Chairman and CEO, Enomaly, Inc

個人的に注目しているソーシャルメディアの代表格「Twitter」。全世界のユーザー数は1億人を突破し、約30万/日のペースで増加しているとのこと。(2010年4月現在) Dell Outlet Twitterアカウントが、$1M(約1億円)以上の売上を記録した他、企業マーケティング、顧客サポート等、成果を挙げているビジネス事例が増えてきている。オルタナブロガー繋がりで、「シロクマ日報」でお馴染み小林氏がパネラーとして参加します。

6月9日(水)14:30-16:00
「Twitterから始まるビジネス革命と新サービス」

 木部 俊明氏(日商エレクトロニクス 執行役員)
 小林 啓倫氏(日立コンサルティング シニアコンサルタント)
 亀津  敦氏(野村総合研究所 主任研究員)

仮想化環境の進展に伴い、物理アプライアンスに代って注目を浴びる「仮想アプライアンス」。ロードバランサー、WAN最適化のトップ・ベンダーであるシトリックス社、ブルーコート社のお二方をお招きし、米国最新動向も踏まえてパネル・ディスカッションを予定しています。充実したセッションになるべく、初のパネル・チェアとして頑張ります!

6月11日(金)14:30-16:00
「仮想アプライアンスの最新動向とその導入メリット・デメリット」

 榎本 瑞樹 (Nissho Electronics USA Corp, Director)
 犬塚 昌利氏(シトリックス・システムズ・ジャパン)
 小林 岳夫氏(ブルーコートシステムズ合弁会社 SEマネージャ)

最後に、宣伝で恐縮ですが、今回の日本出張にともない、日商エレクトロニクス(Hall 4)のステージでも「米国クラウド・トレンド」に関するプレゼンテーションを予定しています。日頃、ブログやTwitterに、励ましのコメントをいただいている皆さん、タイミング合えば、お立ち寄りください!お会いできれば嬉しいです!

日  時: 6月10日(木)17:00-17:15  6月11日(金)16:30-16:15

タイトル:「はっきり見えた雲の中!米国クラウド最前線」
      〜雲の隙間から天使の梯子が降りてきた〜

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