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共創でマーケティングを変える!

顧客が重要視する企業姿勢とエンゲージメント施策 #2

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弊社が実施した調査より生活者が望む企業姿勢としていくつかのポイントが挙げられました。(詳しくはこちらをご参照ください。)

  1. 「トラブルや問題に対しての誠実な対応」(全体の54%)
  2. 「企業のビジネスが社会や環境に及ぼす影響にたいする責任」(38%)
  3. 「各種情報のオープンな開示」(33%)
  4. 「建前ではなく、本音を感じること」(30%)
  5. 「トップの人柄や、経営哲学・理念」(28%)
  6. 「世の中を良い方向に変えたいという意欲」(25%)

では、このような生活者の要望にどのように応えたらよいのでしょうか?WEB事例を中心にその対応のベストプラクティスをご紹介します。

1. 「トラブルや問題に対しての誠実な対応」:ソニー損保「コエキク改善レポート

ソニー損保は業界トップのダイレクト損害保険会社で顧客とのエンゲージメントも非常に高い会社です。弊社が昨年実施したエンゲージメント・サーベイのダイレクト損保版でもエンゲージメントの高さを示しました。彼らの誠実な対応はサイトのトップの真ん中にある「コエキク改善レポート」を見れば一目瞭然です。顧客から寄せられた不満や改善要求に対して、担当者が「実名(顔写真入り)」でその対応結果を報告しています。結果は「改善しました!」「検討します!」「申し訳ございません」の三項目にカテゴライズされ報告されます。2016年4月現在で90件の報告が掲載されています。下記は改善事例の一つですが、保険商品の解り難さを漫画で説明したらどうか?と言う声に対して、UXデザイン部の中島さんが答えています。ここでのポイントは実名だと思います。この手のアプローチは実施している企業もありますが、多くの場合は企業の対応ということ担当者名ましてや写真などの表記はありません。また、そのページも分かり難い場所にあり、気がつかないことも多いです。ソニー損保のように実名で、かつ、写真表示、そしてトップページの真ん中に配置し、来訪者が見やすいように配慮しているところは希有です。

ソニー損保.png コエキクレポート.png

エンゲージメント・マーケティングの時代においては、このような真摯な姿勢はとても大切です。昨年問題を起こした企業でも、その対応が真摯であったが故に顧客とのエンゲージメントを強めた例もあれば、その逆もありました。ペヤングを発売するまるか食品はとても真摯な対応を行ったので、そのブランド力は落ちるどころか、むしろ高まったのではないでしょうか?!一方、マクドナルドは、その対応のまずさで大きなブランド低下を招きました。

このブログでも良く取り上げる無印良品の「IDEA PARK」でも、商品に関するアイデアや改善リクエスト、再販売リクエストなどが多く寄せられており、ひとつひとつ丁寧に答えています。

これらの活動は手間がかかり、また、実際には対応できなかったりで難しい活動なのですが、顧客とのエンゲージメントを高めるには「トランスペレンシー(透明性)」の高いコミュニケーションをすることが、お互いの信頼を高めることになります。

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