エンゲージメント談義#3 : モバーシャル株式会社 取締役CMO 山下さん
ゆるかるエンゲージメント談義3回目は動画制作会社モバーシャルの取締役CMOの山下さんにご登場いただきます。
最近何かとマーケティング業界でも取り上げられる事の多い「動画」「YouTube」、弊社も、企業・ブランドと顧客とのエンゲージメントを高める手段としての動画に注目しYouTube企業公式チャネル運用サービスを立ち上げ、おかげさまで多くの引き合いを頂いております。USのWebサイトは昨年から大きく変貌しています。いくつかのポイントがあるのですが、その一つが動画の活用です。自社サイトで表示するだけでなく、YouTubeで自社の公式チャネルを立ち上げている企業がほとんどです。自社サイトのメディア化(Owned Media化)での重要な表現の一つになっています。今年の春に弊社サイトをリニューアルした際には動画を多く取り入れ、PVが大きく伸びた要因の一つになっています。
モバーシャルは早くから企業の動画活用に視点をおき、様々な企業・ブランドの動画を制作してきました。今回CMOの山下さんに最近の動画に関してお話を聞きました。
原「最近の動画ブームをどう見てらっしゃいますか?」
山下さん「TV CFの代替手段として考えられているところが多いので、本質的には違うと思ってます。すなわち、共感・共鳴(エンゲージメント)を得るための動画とアテンションをとるための動画とはコンセプトや作り方が違い、その結果として動画のシェアなどに違いが出てきています。」
原「エンゲージメントを高める手段として我々も動画のソリューションをリリースしたのですが、御社のこの領域での強みはなんでしょうか?」
山下さん「我々は制作に特化していますが、基本は作りっぱなしではなく、その後の効果をしっかりと検証することをお勧めしています。エンゲージメントという軸で考えた場合、制作して納品で終わり、効果検証をしないというのは、非常にもったいないなと思います。最近になって、我々のクライアントでは、動画をただ見せればいいというお客様は少なくなってきたと感じます。言い換えれば、きちんとABテストをおこない、その効果をきっちりと反映した修正もこまめにやり、また検証する、といった動画に関するPDCAをまわすケースが非常に増えてきました。そのおかげで我々は効果的な動画制作のノウハウがたまり、資産となってきています。これはCF制作会社との大きな違いでもあり、急には追いつけない資産だと思っています。」
原「御社で運営してらっしゃる、海外のいい動画をピックアップし、紹介しているサイトMOVAAA!!はいつも参考にさせてもらっていますが、このサイトの目的は?」
山下さん「そもそもは我々の中でシェアされている動画ってどんなものなのだろうということで社内ナレッジを高める目的でやり始めたのですが、原さんが推奨している共創精神でオープン化に踏み切りました。長い目で見れば、ここからリード発掘をするインバウンドマーケティングに繋げていきたいという意図もありますが。」
原「エンゲージメントされやすい動画の傾向は?」
山下さん「パターン化はできませんが、人のストーリーに焦点をおいている物は多いのかなという気がします。あとはWOW! いい意味でブランドが期待を裏切っているもの、それから社会的な課題に立脚した企画などでしょうか。カンヌもそういうCSV的なものが増えてきていますね。」
原「動画はエモーショナルなメディアなので、うまく静的なコンテンツと組み合わせるとエンゲージメントを高める手段としてはとてもよいね。それがシェアされていくことも会わせて考えると、今後マーケティング・コミュニケーションの手段としては大きな柱のひとつになるね。そういえば昔あるブランドのおされな商品説明動画を一緒にやったね。その頃はソーシャルとかなかったけど結構一人歩きして動画があらたな顧客を呼んできてたよね。一日一動画アップということで大変だったけど、こういう活用も大きく伸びるね。だって堅苦しい取り説より、おしゃれに説明された方が、よし使おうって気になるしね。」
山下さん「御意(笑)」