「なぜスマート工場やIoTに着手するのか?」を考えよう
TechFactoryの新たな特集ページとして「次世代FA特集」をオープンしました。
http://techfactory.itmedia.co.jp/tf/subtop/features/nextgenfa/
「IoT」などの技術トレンドや、ドイツが提唱した「インダストリー4.0」による新しい潮流の影響で、日本の工場にも大きな変革の波が訪れています。
個人的には、昨年(2016年)トヨタが産業用オープンネットワークの「EtherCAT」の全面採用を決めたことや、日本国際工作機械見本市(JIMTOF)に出展している主要なFA系企業がこぞって「IoT」を押し出していたことなどが印象に残っています。
もちろん今回立ち上げた「次世代FA特集」では、上記で紹介したトヨタの事例解説やJIMTOFのレポートも掲載しています。
▼超速解説:トヨタが全面採用を決めた「EtherCAT」とは何か
▼ヤマザキマザック/シスコシステムズ MAZAK SMARTBOX:「工作機械」と「通信機器」大手が協業、製造業のIoT化推進を目指す
ICTを活用した次世代の生産・製造設備の構築については以前から語られていましたが、IoTにまつわる半導体やセンサー技術、そしてネットワークやクラウド基盤などが整うことで、それがより現実的に進んできているように思います。
一方で、目的が不明確なIoT導入や、つながるだけの工場を作っても意味がありません。何でもかんでも連携すればいいというわけではないですし、データ分析をするにしても方針が定まってない状態で、ただデータを取り続けるだけでは宝の持ち腐れになってしまいます。
今年(2017年)第1回が開催された「スマート工場 EXPO」で行われた、「なぜスマート工場(だけ)ではダメなのか」というパネルディスカッションの中で、経済産業省の西垣氏は次のようにコメントしています。
「『IoTをやりましょう』ではいろいろな意味で"難しい"です。『リードタイム短縮を目的として設計と生産をつなげましょう』や『ダウンタイム軽減を低コストで行うための遠隔監視』など、目的に応じた手段を講じなくてはいけません。目的があってこそのIoTです。なぜスマート工場やIoTに着手するのか? という目的をしっかりと見据えていく必要があります」(西垣氏)。
今回、特集名に「次世代」と付けてはいますが、既に新たな世代が始まりつつあるFA業界。その実現に向けた方針策定をサポートするべく、さまざまな情報を提供していきたいと考えています。
【関連エントリ】