オルタナティブ・ブログ > 山岡週報 >

メディアプランナーのつぶやき。ITおよび製造業のマーケティングについての考察。ときどきマンガとアニメ。

エンジニアも必見!! 今期注目のSFアニメ「正解するカド」

»

本日の週報のテーマは「アニメ」です。私はアニメや漫画が大好きでして、TVアニメも新しく始まるものはなるべく第1話目をチェックし、気に入ったものだけを毎週録画するという生活を送っています。

4月から始まった「春」のクールでは、「Re:CREATORS」「アリスと蔵六」「ベルセルク」などが現在「毎週見るアニメ」として私の中では定着しているのですが、いま最も楽しみにしているのが、「正解するカド」という毎週金曜夜に放送されている作品です。

d16356-411-536702-0.jpg
(C)TOEI ANIMATION,KINOSHITA GROUP,TOEI

■「正解するカド」とは

最初はあまり期待していなかったのですが、話が進むにつれて解き明かされる「謎」と、分かったと思ったらすぐに次の「問題」が提示されるという展開に、毎週予想を裏切られています。

特に個人的に面白いと思っているのが、この作品が「高次元」という難しい概念に真っ向から挑んでいるという点です。

少しあらすじを紹介します。主人公は、外務省に勤務する交渉官。羽田空港から飛行機に乗って離陸しようとしたところ、空中から謎の巨大立方体が出現し、それにのみ込まれてしまいます。その巨人立方体の名前が「カド」といい、その中から現れた「ヤハクィザシュニナ」と名乗る謎の存在が、人間の遭遇していない「次元」から来た存在として、人間社会にさまざまな「問題」や「未来」を提示します。そして、主人公はそのザシュニナと人間の間に立つ「交渉人」としての仕事を依頼される――というハードなSFアニメ。

■「高次元」を扱ったアニメ・マンガの中でも異色

これまでにも「高次元」を扱った作品は多く存在しました。有名なところでいえば、「ドラえもん」の4次元ポケット、映画「インターステラー」など。その他、タイムマシンが登場する作品は全て「時間」という別次元について取り扱っているともいえます。

しかし、この「正解するカド」は、そうした1つのアイテムとしてではなく、メインテーマとして「次元」(作品内では、異なる方向という意味からか「異方」と呼称されています)を取り上げ、研究者や政府機関、またマスコミや世論などが、この存在にどう関わっていくか、という切り口でストーリーが展開していきます。

同じように高次元の存在と人間が対峙する話としては、漫画「度胸星」という作品もありますが、そちらでは宇宙空間での遭遇という状況で、謎の存在と戦う展開でした。「正解するカド」では、人間社会全てを巻き込んでその「謎」と共存する形で進行していきます。

誤解を恐れずにいえば「よくこれで企画が通ったな」と思いました。最近のTVアニメは、ヒットした漫画や小説など原作がある作品のアニメ化が多く、ある程度視聴率が確保できることが分かっています。ただ、この「正解するカド」は完全オリジナルの新作なのです。しかも、派手なアクションシーンも無ければ、巨大ロボットや魔法少女も登場しません。しかし、だからこそ、制作・企画に力が入っているということなのかもしれません。スタッフを見ると、フルCGアニメ映画「楽園追放」のプロデューサーの野口光一さん、脚本にはSF小説「know」などで知られる野﨑まどさんなどが名を連ねており、豪華な制作陣であることが伺えます。

新たな技術やテクノロジーを、どう社会とうまく適合させていくか、また、未知の研究対象にどう科学者が取り組んでいくか、など、エンジニア視点で見ても楽しい作品となっています。興味を持った方はぜひチェックしてみてください。

▼関連リンク:

・ドラマを魅せるフル3DCGアニメへの挑戦 TVアニメ「正解するカド」村田和也総監督&野口光一プロデューサーインタビュー前編 - アニメハック

・「正解するカド」に登場した立体折り紙が再現できる!? アニメに資料を提供した大学教授が製法公開 - ねとらぼ

・「正解するカド」公式サイト

Comment(0)